レッドブルのお膝元で初優勝
【ミニチャンプス レッドブルRB14 M.フェルスタッペン オーストリアGP 2018】
レッドブルがチームの母国GPを初めて制したのはこの2018年。まだオランダGPの開催が無かった当時マックスの熱烈ファンである「オレンジアーミー」の本拠地GPがここだったので、大熱狂の中での優勝となりました。
リカルドが表彰台を連発する一方、トラブルによるリタイアがフェルスタッペンに集中した前年から一転、今度はマシントラブルがリカルドに集中したこの年のレッドブル。ポイントの稼ぎ頭となってほしいフェルスタッペンでしたが、果敢にメルセデスに挑むも接触やコースオフ、果てはチームメイトとの同士討ちやモナコGPでの予選をふいにする単独クラッシュなど、その荒さによって結果を残せない序盤が続きました。
中盤に差し掛かったカナダ-フランスGPで連続表彰台に登りようやく記録を残すと、ホームグランプリのオーストリアGPではメルセデスの作戦ミスを突いて首位に浮上。その後メルセデスがトラブルで16年スペインGP以来のWリタイアを期し、その時と同様に敵のいなくなったフェルスタッペンは盤石のタイヤマネジメントで通算4勝目を飾りました。
この年もメルセデス・フェラーリに後れをとったレッドブルですが、後半は調子を上げて2年連続王者決定の地となったメキシコGPを2連覇します。その後続くブラジルGPも連勝が濃厚だったのですが、周回遅れのオコンに追突され2位に転落。レース後これに激昂しオコンを突き飛ばしたフェルスタッペンですが、彼の将来を思ってか被害者側である彼に社会奉仕活動が命ぜられるのでした。もうこの時にはフェルスタッペンはF1を担う次世代の旗頭として確固たる地位を築いていましたね。
前年のトラブル連発から解き放たれた解放感か、最年少チャンピオンへのチャンスが現実的に限られてきたことへの焦りか、荒っぽい運転が多かったこの年前半のフェルスタッペン。この年の後半からその後のハミルトンとの激戦を通して完成された圧倒的なドライバーに成長していきますが、2016年に奇跡的な最年少優勝を挙げてもまだチャンピオンには一歩足りない、彼の最後の成長余地を見ることのできたシーズンだったかなと思います。まぁ、彼が更新したベッテルの最年少優勝記録の年齢に達したこの年までに既に5勝も挙げているので末恐ろしさの方が大きかったわけですが……。
初優勝を達成した2016年から2018年までの3年間、ハミルトンとベッテルの激しいタイトル争いに隠れていますがこの期間で彼の得たF1での経験値は二十歳そこそこのドライバーでは到底得られないものでした。この経験が20-21年のハミルトンとの戦いで加速度的な成長を生む糧になりましたね。
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