悲しい最後

【ミニチャンプス ロータスルノーR31 N.ハイドフェルド 2011】
2009年にBMWの撤退でシートを失い、同郷メルセデスに身を寄せたハイドフェルド。しかしシューマッハの復帰でレギュラーシート獲得はならず、ザウバーとロータスで流浪のキャリア終盤を迎えました。

クビサの事故で急遽空いたシートをセナとの争いに勝って獲得したハイドフェルドですが、2010年後半にザウバーでレースしていた経験を買われてのことだったのでしょう。
BMW時代にクビサに敗れてキャリアが大きく下降してしまったハイドフェルドにとって、彼の代役は自身の才能を示す最後のチャンスでした。

しかし第2戦マレーシアGPで3位表彰台を獲得するも、その後は上位争いどころかペトロフと遜色ない成績が続いてしまい、後半戦からはセナにシートを奪われてしまいました。
最終レースとなったハンガリーGPはマシンの出火による悲しいリタイアで、加えて後にチームとは解雇を巡り裁判沙汰になる泥沼の引退となってしまいます。

マシンに合わせてヘルメットも黒ベースにしたハイドフェルドでしたが、元々堅実な走りが災いして地味だった彼のレースがさらに地味な印象になってしまいました。
ドイツGPではブエミに追突してしまうなど、キャリア終盤の焦りなのか全盛期の精彩を欠くレースが続いていましたよね。BMWザウバー時代に応援していた身からすると、観ているのが辛いシーンが多かったです。

BWMザウバーを支え、2007年から41戦連続完走という当時の最多記録を持つハイドフェルド。その堅実な走りでコンピューター・キッドとも呼ばれましたが、優勝はできず数多くの2位獲得でシルバーコレクターとしてF1を去りました。
決して華やかなキャリアではありませんでしたが、ワークスチームの一つを大黒柱として支えた彼にとってロータスでのぞんざいな扱いは何とも悲しい最後でしたね。

余談ですが、2015年にロンドンに旅行に行ったときロータスショップに行くことができました。店内には「E20」のショーカーが吊るされていて、この「R31」の前方排気を下から見ることができました。
今はお店が存在するのかもわかりませんが、前方排気を下から目視できるレアスポットだったのではないかと思います……。
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