心がおかしい
【ミニチャンプス マクラーレンMP4-26 L.ハミルトン 中国GP 2011】
確かな速さはあったのですが、レッドブルの独走でタイトルが絶望的だからか、バトンの好調に焦ったか、はたまたプライベートの不調が原因か……、シーズンを通して接触を繰り返し唯一チームメイトに負けたシーズンとなりました。
この年、シーズンを通して波が激しかったハミルトン。マシンに適合できていなかったのか、好調なバトンとの関係が悪化したのか、はたまた父親との関係悪化や恋人との破局などプライベートな原因なのか、明確な理由がつかめないまま、不必要なクラッシュとミスを繰り返します。
勝てる時はしっかりと勝ち、勝利数はバトンに並ぶ3勝を挙げているのですが、とにかく中盤走行時の接触がとても多かったですよね。特にマッサとはシーズンを通して何度も絡み合い険悪なムードになります。あまりにも険悪でマッサからは「心がおかしい」とまで批判される始末。この年のフェラーリの低迷とアロンソとマッサの差を考えればコース上で彼と頻繁に戦っていたこと自体がハミルトン低迷の象徴だと言えるでしょう。
この年バトンの表彰台獲得数が12回なのに対し、ハミルトンは半分の6回しか獲得していません。優勝以外では3回しか表彰台に登っていないとは、競争力を考えれば彼のキャリアでいかに突出して不調シーズンだったかがわかります。MP4-26もすっかりバトンのマシンという印象ですよね。
勝ち取った中国GPとドイツGPでは彼の天性の速さとバトルの巧さを見せてくれたのですが、中盤の取りこぼしが多すぎたため終盤レッドブルの全戦PPを阻止した韓国GPのポール獲得時にはもはや喜びすらあまり見せませんでした。獲得ポイントでは初めてチームメイトに負けを期し、チームとの不和からマクラーレン離脱の感情の種が芽生えた時期なのかもしれません。
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