次世代ルーキー

【ミニチャンプス マクラーレンMCL34 L.ノリス 2019】
バンドーンを押しのけてマクラーレンからデビューしたノリス。持ち込み資金でシートを奪ったかのような報道もありましたが、結果を見れば大当たりのルーキーでした。

ノリスの特徴はとにかく明るいことですよね。この年のマクラーレンが改善した要因の一つには彼の存在が大きく影響していると思います。あの不機嫌なアロンソ様からのギャップを考えると、スタッフもリラックスして臨めたことでしょう。レース以外にもシムレースの配信でファンを楽しませるなど、まさにミレニアム世代のF1ドライバーという感じがします。

レースでも光る速さをみせ、最高位は6位ながら安定してポイント圏内での戦いを見せます。目立ったミスもなく、頻発したトラブルでリタイアすることがなければドライバーズランキングももっと上位を目指せていたと思います。名門からのデビューに恥じない実績でしたね。

記憶に残るレースはフランスGPで、上位走行中に油圧を失うトラブルが発生し、コントロールを失うマシンと戦いながら3台のライバルとのバトルを見せました。結局抜かれてしまいましたが、あと1周早くレースが終わっていれば結果が変わっていましたね。ルーキーながらトラブルと戦いミスをせずマシンを完走させた姿を見て、並みのルーキードライバーではないことを感じました。

最終戦のアブダビGPではチームを離れる担当エンジニアに感謝の無線を伝え、感極まって泣いてしまうなどとても素直でいい子なノリス。ギスギスしたF1の場で一服の心温まるエピソードを届けてくれます。メルセデスやレッドブルからも接触が噂されるなど引く手あまたの彼ですが、本当に持ち込み資金も豊富なのであればこのキャラクターと相まって非常に貴重な存在ですよね。ただ結果はどうしてもサインツに一歩負けていたので、次のシーズンはその差がどこまで縮まるかに注目です。
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