ティレルの圧勝劇
【ミニチャンプス ティレル003 J.スチュワート 1971】
前年王者リントの不在で迎えた1971年、前年後半の勢いで序盤はフェラーリが優勢だったものの後継機開発に失敗し、自家製マシンの開発に成功したティレルがシーズンを支配します。
全11戦のうち、前半5戦と後半4戦の有効ポイント制で争われた1971年シーズン。マトラと離別しプライベーターとして2年目を迎えたティレルは7勝を挙げてシーズンを支配します。エースを失ったロータスとマシン開発に失敗したフェラーリは低迷し、6勝を挙げたスチュワートがシーズンを圧勝してタイトルを獲得しました。
明確な対抗馬がいなかったものの、表彰台を連発してランキング2位につけたR.ピーターソンやセカンドドライバーとしてスチュワートに師事して初優勝を挙げたF.セベールなど、若手の台頭が目立ったシーズンとなります。ティレルチームはこの活躍で一躍F1界の有力チームとみなされ、若いチームながらその立場を確たるものにしました。
ティレルとしての製造3台目を意味する003はプライベーターのマシンながら、オーナーが多額の私財を投資して開発された成果があったか競争力を持ちました。タイトルを獲得した翌1972年シーズン末まで使用され、11勝を挙げます。またシーズン初優勝を挙げたスペインGPではF1レースでは初めてスリックタイヤを装着。以降のグランプリレースの必須タイヤとしてすぐさま定着していきます。
1969年に続き2度目のタイトルを獲得したスチュワート。キャリアも折り返しを迎えつつありましたが、自身とオーナーのティレル氏、そしてチームメイトで愛弟子のセベールとの関係が良好に機能していて、チームの土台作りに成功してからはセベールに後を託して引退をする考えが浮かび始めてた時期だと言われます。
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