トロロッソ STR9 M.フェルスタッペン 日本GP

アルファタウリ・トロロッソ2014

偉大な歴史の始まり

【ミニチャンプス トロロッソSTR9 M.フェルスタッペン 日本GPフリー走行 2014】

フェルスタッペンのF1公式セッション初走行を記念したこのモデル。この当時は過度に加速する低年齢化と解雇されたベルニュが奮闘を見せていたことで話題作り程度にしか思っていなかったので、ここまでの大器になるとは予想できませんでした。

レッドブルとメルセデスの過熱したマックス獲得競争に決着がついたのは2014年8月。大方の予想を裏切り発表時若干16歳という驚異の若さで翌年トロロッソからのF1デビューが決定します。そのわずか2か月後、2014年10月3日の日本GP金曜フリー走行FP1でF1デビューを果たしました。記録によると22周を12番手とまずまずのタイムで走破し、大きなミスもなく安定したデビュー走行の完遂で経験不足を憂う周囲の声に反撃を見せます。

2016年に奇跡の初優勝を挙げ、当時人気がうなぎ上りだったフェルスタッペン別注シリーズ。スケールモデルは2015年のデビューマシンがEdition No.1としてリリースされてきましたが、その人気から遡及してこの14年のフリー走行モデルもEdition No.19として製作されました。F3マシンもこのシリーズでモデル化されているので、シングルシーターデビュー以降のマックスのミニカーはセナやシューマッハの比ではないほどバリエーション豊富に作られています。

STR9は非力ながら他車に相次ぐPUトラブルの間隙を縫って新人のクビアトが粘り強く入賞した記録が光ります。それにより解雇の決まったベルニュも奮起して終盤シンガポールGPで最高位6位を獲得するなど両者にドラマがあったのですが、この人のFPデビューで全ての話題を攫ってしまいましたね。二人の健闘虚しく、「フェルスタッペンがフリー走行デビューしたマシン」という評価になってしまいました。

後の大偉業を思えば金字塔の第一歩となった貴重なこのマシン。スポンサー集めの話題作りでしょ、と思っていた私の見る目の無さを言い訳させてもらえば、当時はリーマンによるスポンサー離れが回復しないまま高価なPUを投入したことで中堅以下のチームはペイドライバーのオークション会場になっていたような惨状でした。若さでスポンサーの関心を集めたいんでしょ、と考えた私を誰が責められることでしょう。

結果はご存じの通り2023年終了時点で3度の世界王者ですから、よくその財政的に苦しい状況下でこの逸材を見つけて投資できたものだなとレッドブル育成の慧眼に驚きを隠せません。下位カテゴリの育成から重点的に投資する方針だったメルセデスに対してそこにお金をかけずさっさとF1のシートを用意して彼を射止めた判断もお見事でした。

ミニチャンプス・スパークそれぞれからも別注モデルがリリースされた、バリエーション豊富なこのSTR9。個人的にはトロロッソ史上初のハイボックスミニカーというニッチなポイントに惹かれて購入しました。デビュー前から既に売れ筋ドライバー扱いだったフェルスタッペンの人気はすごい。

見る目の無さの言い訳、2014年の財政的惨状をまとめた記事はこちら。久しぶりに読み返して我ながら良く書けた文章だと自画自賛しました。

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