負け組か、それとも……

【ミニチャンプス トロロッソSTR11 C.サインツJr 2016】
フェルスタッペンが抜け、唯一無二のエースドライバーとしてチームを牽引することになったこの年のサインツ。マックスに昇格を先越されましたが、結果的にはこれでよかった気がします。

デビュー前の話題性の時点でフェルスタッペンに負けていて、そのせいで五分五分の成績だった2015年も負けていたかような印象が残ってしまうサインツ。しかしマックスがレッドブルに移籍してからも変わらずトロロッソで上位に顔を見せるサインツを見て「彼もとてもいいドライバーじゃないか」と改めて気付かされた1年となりました。

個人的にこの年の彼のハイライトは母国のスペインGPです。結果は7位でしたが、オープニングラップでメルセデス同士が接触リタイアし、レッドブル1-2となったあと直後3位につけてレッドブル陣営1-2-3体制を作っていたのが強く印象に残っています。フェルスタッペンが世代交代を大きく感じさせたレースとなりましたが、サインツの「俺もいるぞ!」という力強いアピールを感じましたね。

前年はメタリックブルーで一風違ったカラーリングとなったトロロッソですが、2016年はこれまでの紺色ベースに戻っています。毎年変わり映えのしないデザインですが、当時この数年は本家レッドブルのデザインがころころ変わっていたのでテンプレ的なレッドブルカラーリングが残っていいのかなとも思いましたね。

トロロッソに残ったことで逆に注目が集まり、ルノー移籍の噂や同郷アロンソからマクラーレンを薦められるなど他チームからの関心が高まったサインツ。当時まだレッドブル系から他チームへ移籍できたのはベッテルとクリエンだけでしたが、彼が3人目になるのかは大きな注目でしたね。
フェルスタッペンと同じチームで走らせることが難しかったという事情もあってのドライバー変更だったのでレッドブルに昇格させるわけにもいかず、首脳陣もサインツの処遇には頭を悩ませてたことでしょう。彼のその後の展開を思えば、ここの育成プログラムは才能をしっかり示せば昇格が遅れても無下にはしないということがわかりますよね。その「才能を示す」ハードルが高いんでしょうが……。
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