エベレストの話

【ミニチャンプス ルノーR.S. 16 J.パーマー 2016】
80年代に活躍したジョナサン・パーマーの息子にして2014年のGP2チャンピオン、ジョリオン・パーマーがデビューしたのは2016年。ワークスルノーが復活した際の最初のドライバーとしてF1に参戦しました。

名門ワークスチームの復活でありながらロータス買収が遅れたことで市場にろくなドライバーが残っていなかったルノー。華々しい最初のワークスドライバーをマクラーレンを追い出されたマグヌッセンと資金を持ち込んだパーマーという中堅並みのコンビでスタートすることになりました。

技術面でもロータス買収の遅れが響き、開発の進まないマシンでは経験者マグヌッセンが2度、そしてパーマーはわずか1度のポイント獲得に終わりました。正直あまりにも数合わせの存在すぎて、半額以下で投げ売りされていなければミニカーを買うことはなかったですね。

参戦まで時間がなかったためかカラーリングも酷いこの「R.S.16」。参戦発表時のデモカラーは黒ベースに黄色のアクセントが効いた2020年マシンのようなかっこよさがあったのですが、なぜか本戦仕様は黄色をぬっぺり塗った「見ただけで遅いと感じる」マシンで登場しました。
なんでこんなデザインが通ったんでしょうね。まぁ実際その印象通り遅かったわけですが……。

ルノーは2年目にヒュルケンベルグを迎えると、彼との差でパーマーではポイントを取れないことが顕著になります。世界中からシートの無駄だと批判を浴びる中、彼はあのエベレストに登山をすることでリフレッシュ。その後参戦したシンガポールGPでは6位フィニッシュで自身2度目のポイント獲得しました。
しかし大勢を変えるには至らずシーズン半ばに解雇されてしまうのですが、「これだけのプレッシャーを受けるF1ドライバーであってもエベレストの景色は心をリセットさせてくれるんだなぁ」と感心した思い出です。ただそれだけ。
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