技術光る3勝
【ミニチャンプス マクラーレンMP4-26 J.バトン カナダGP 2011】
バトンにとってベストシーズンともいえる2011年。不調の同僚ハミルトンを打ち破ったばかりか、独走するベッテルのわずかなの対抗馬としてシーズン終盤まで上位を争いました。
レッドブルが予選で圧倒的な速さを見せるシーズンでしたが、バトンは大雨による中断で史上最長レースとなったカナダGPをファイナルラップの逆転劇で優勝しました。途中既に調子を大きく崩していたハミルトンとの同士討ちを乗り越え、ベッテルを追い詰めてミスを誘発させる猛プッシュを見せるなど、熟練した大人な走りを感じさせるレースでしたね。
その後も自身の参戦200戦目のハンガリーGP、そして第二の母国ともいえる日本GPで優勝し、シーズン3勝を挙げます。特に日本GPではマクラーレン移籍後初となる完全ドライコンディションでの勝利で、最速レッドブルと鈴鹿の高速サーキットで見事なバトルを見せ勝利を勝ち取りました。
ベルリンで大々的にローンチしたMP4-26でしたが、オクトパスエキゾーストとも呼ばれた複雑な排気構造でプレシーズンテストでは苦戦します。結局シンプルなレイアウトに変更して開幕に臨んだマクラーレンでしたが、フェラーリの不振もあって最速レッドブルに次ぐ2番手の地位を確立しました。
特徴的なL字のサイドポッド。近代F1においてこうした特異なボディワークは珍しいですよね。後方への気流をマシン上方から流すためのレイアウトとのことでしたが、この頃のマクラーレンはまだイノベーションが豊富だった印象です。
夏休み以降は韓国GPを除くすべてのレースで表彰台を獲得し、ドライバーズランキング2位を獲得したバトン。2009年のチャンピオン獲得に次ぐベストシーズンといえるでしょう。ベッテルがオフスロットルブローを武器に暴れまわることがなければ、2度目のタイトル獲得もあったかもしれませんね。
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