珍しい失敗作

【ミニチャンプス メルセデスW02 M.シューマッハ 2011】
シルバーアロー復活後第二弾のマシンにして、近代メルセデス初の完全自社設計マシンとなったこの「W02」。出来が悪く、完成早々に見切りをつけられてしまいました。

シャープで鋭利なノーズがスタイリッシュな「W02」。メルセデスの中でもかっこいいマシンの一台だと思いますが、競争力に乏しく成績は表彰台に届かない4位が最高位となりました。
シューマッハのキャリアにとってはパッとしない成績ながら、ロズベルグと組んだ3年間では最も差の少ない1年となっています。

走り出しからマシンの状態が良くないことが判明したのか、ロス・ブラウンがオフテスト開始早々に見切りをつけて翌年に切り替えると発言をしていた気がします。
シューマッハはデビュー20周年を迎えた2011年でしたが、見所はカナダGPでのウェバーとの攻防やベルギーGPでの追い上げ、イタリアGPでの上位争いくらいで、記録に残るような活躍は残せませんでした。

一方で見た目に関してはメルセデスの中でも随一にかっこいいと思います。高いフロントと低いリアが相まって横からだと歪なマシンにも見えますが、いかにも「シルバーアロー」という感じのルックスで好きな1台です。ナイフのように鋭利なこのノーズがいいですね。
最近のノーズは「アロー」って感じじゃないですからねぇ……。

昨今の最強メルセデスからは信じられないほど、マシンが遅く戦略にも問題が山積みだったシューマッハ時代のメルセデス。上位争いをしていなかったので目立ちませんでしたが、当時は中堅チームに毛が生えたような成績とレース運びでしたよね。
マシン設計ミスやレース中のタイヤ取り付けミスなど基本的な問題を多く抱えていた2011年ですが、それらをこのシューマッハ期に洗い出してきっちり解決したことが今日の強さの所以かもしれませんね。
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