フェラーリ 150°Italia F.アロンソ

オリジナルモデルフェラーリ2011

あわやシーズン0勝

【マテル フェラーリ150°Italia  F.アロンソ 2011】

アグレッシブに攻めた前年「F10」はトラブルに泣いた。だからコンサバに作ったというこの車。アロンソをして「何所も悪くないのに遅い」と言わしめ、危うく未勝利の憂き目にあいました。

不吉な予兆はマシン命名時からあり、イタリア独立150周年を記念して命名された「F150」という当初の名前がフォードのトラック名と類似しているとして訴訟沙汰になりかけたため変更されました。

シーズン開幕を前に何のアップデートもないまま、マシン名が「F150°Italia」 という名前になります。長いですね。

前年のブロウンディフューザー開発には付いていけたフェラーリでしたが、この年のオフスロットルブローシステム開発には苦しみレッドブル・マクラーレンに全く追いつけませんでした。

しかしなぜか突然、フェラーリ初優勝60周年の地イギリスGPで1戦だけオフスロットルブローが禁止になり、このチャンスをアロンソがしっかりものにしてシーズン初優勝を記録。結局以降は勝利がなく、この1勝のみがシーズンのハイライトとなりました。

そんな散々なこのマシンですが、この年代のフェラーリの中では見た目もカラーリングもよく「この時期を代表するフェラーリの形」という感じで好きです。シンプルなデザインでいいですよね。オフテストで自信満々になり、開幕戦で遅さに気づくのもフェラーリらしいのですが……。

なおマテルのミニカーはヘルメットに致命的な欠陥があり、異様に頭頂部が長いです。円柱のようなデザインで、頭にコブがあるような見た目をしています。勝てないフェラーリを見て売上減を見越したのか、この頃からマテル通常版の品質は著しく低下していきました。

過去窮地に陥りながらも2005年や2009年、そしてこの2011年のようにあの手この手で1勝を挙げ首を繋いできたフェラーリ。このシルバーストンでの優勝はあまりに露骨な、実に政治的な勝利でしたね。なぜ1戦だけ禁止なのかも結局あいまいなままでした。

しかし2020年以降はそうした「政治的介入」が通用しなくなったのか、未勝利のシーズンも増えてきました。散々だった2020年もこれまでなら1000レース目を記念して露骨なパワーアップが認められてもよかった気もしますけどね。無くなったらそれはそれで寂しいフェラーリマジックなのでした。

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