メルセデス W15 G.ラッセル オーストリアGP

メルセデス2024

幸運と不運

【ミニチャンプス メルセデスW15 G.ラッセル オーストリアGP 2024】

ラッセル初優勝以来2年振りの勝利となったこのレース。3番手スタートの彼は首位マックスとノリスの接触により2勝目が降ってきました。

そんな幸運だったレースはともかく、個人的にこの年最も彼がすごいと感じたのはベルギーGPでした。7番手スタートから1ストップで首位に浮上すると抜群のタイヤマネジメントでポジションを維持、2勝目を掴みました。

が、その1ストップによるタイヤの摩耗が仇となったか最低重量にわずかに足りず失格処分という悪夢の結果に。でもたとえ公式記録に残らなくとも、これが今のところ彼のベストレースかなと思っています。

その後はフェラーリ・マクラーレンに太刀打ちできず表彰台すら届かないレースが続きますが、終盤ラスベガスGPでは路面に苦しむライバルを尻目にポールトゥウィンを達成。ベルギーGPの不運を払拭しました。

対して母国イギリスGPではポールからスタートし首位争い中にトラブルでリタイアと、目立たない中位の入賞以外は勝利かリタイアという大味なシーズンになってしまいましたね。

フェラーリ・マクラーレンには明確に後れ、レッドブルにも届かなかった4番手マシンのメルセデス「W15」。それでも上述のラッセルの印象深い優勝とハミルトンの久々の母国制覇とあって記憶には残りやすいマシンですね。

またカラーリングは減量のため側面のシルバーをはぎ取りますがノーズ上には残したことで国際映像の大半のアングルで見ても「シルバーのマシン」感がありました。このデザインを考えた人は天才だと思います。

大きな不運に見舞われたシーズンでしたが実力を確かに示したことで、ハミルトン離脱後アントネッリを迎える新時代のメルセデスのエースドライバーとしての地位を確たるものにしました。

2023年はそのハミルトンに敗れていたので、彼を破ってリーダーの立場を掴んだことがこの年最大の成果だったでしょう。それでも代表はフェルスタッペンに欲を出すんだから、このチームのエースが抱えるプレッシャーも相当なものですよね……。

実力はありながら結果に結びつかないラッセル。彼のタイトル争いはセンセーショナルな優勝で期待されるものの安定感の欠如で敗退という未来が見えてしまいます……。

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