1/64 Sparky アルピーヌ A523 P.ガスリー

アルピーヌ・ルノー2023

エンジン開発やめるってよ

【スパーク Sparky アルピーヌA523 P.ガスリー モナコGP 2023】

アルピーヌへのリブランディング3年目で両ドライバーがそれぞれ表彰台を獲得した2023年。ここからもうあと一歩飛躍を、というところまできたのですが、翌年はまさかの大失速となりました。

最近はチームの成績よりも組織のゴタゴタに注目があつまるアルピーヌ。オコンのチームメイトに対する好戦的な態度が問題となって両者は決別、更にクラッシュゲートで永久追放となったブリアトーレを再招集してみたかと思えば今度はワークスエンジンプログラムの廃止を検討と、一体このチームがどこに向かうのか全く先の見えない展開となっています。

しかしこの先行き不透明な感じは今に始まったことではなく、思えば2014年のパワーユニット導入に失敗し、その改善が進まないまま2016年に再びワークスチームを取得したあたりからずーっと迷走していましたよね。エンストンのシャシーチームは優秀なマシンを度々生み出すのですが、そこで手にする表彰台に安堵したのかPU問題が解決しないまま早10年が経過、供給先も失いついにエンジン開発からの撤退が噂されるようになりました。

BWTのピンクカラーが爽やかなアルピーヌブルーを台無しにしているA523。このF1ブームで広告費用も膨れ上がっているのでしょうが、それなりのステータスを持っているチームでピンクに染め上げられるのはこの低迷するアルピーヌくらいしかもう残っていないのではないでしょうか。最近は復調気味ですが、ウイリアムズに逆転されるなんてことになったらスポンサー取られちゃいそうですよね。

アルファタウリというジュニアチーム卒業を経て念願かなってワークスチームへ移籍を果たしたガスリー。苦戦する状況下でも接触上等のバトルを仕掛けてくるチームメイトに一進一退の開発とイライラが募る思いでしょうが、フランス人ですし同郷アルピーヌブランドが続く限りシート喪失の危機はなさそうなのでなんとかここで報われて欲しいですね。実際もうあまりいい移籍先も残っていないし……。

しかしオコンは上手くやったなと思います。個人的にあまり良く思っていないドライバーなのですが、ルノー経験者のリカルド・ガスリーのように漬け置かれることなく、そしてヒュルケンベルグのように浪人することもなくハースへの移籍を果たしました。こんなチーム状況下ではなりふり構わず自分の利益を目指す方が正解だったりするのかなぁ。

私がF1を観始めてからでもアロンソとのWタイトル、ベッテルの4連覇に貢献と最強ルノーエンジン時代は確かにあったので、それだけにここ10年間の低迷は悲しいです。なにより、26年の新エンジン規定でリベンジすることにすら挑まず撤退を見据えているのはいよいよルノーブランドがF1から消えてしまうようで寂しさがあります。もしチームが売却されてもシャシー部隊は優秀なので買われた先でも成果を挙げそうですが、1977年に登場したルノーF1エンジンのDNAはしばらく途切れてしまいそうですね。

華々しいワークス活動再開の船出を切るドライバーラインナップがマグヌッセンとパーマーという売れ残りでスタートしたことからして、このチームの前途多難な運命は決まっていたのでしょう。まぁ彼らを擁護すれば借金まみれでパドックにも入れなかったロータスチームの救済をバーニーに迫られたというし、構想外のワークスチーム化だったのかもしれませんが、先代までと比べてあまりにも成績がね……。

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