舵取りの重要性
【スパーク Sparky ウイリアムズFW45 A.アルボン 2023】
最近好調を取り戻しつつあるウイリアムズ。ここ15年間組織体制がころころ変わる不安定な状況でしたが、やはり創業家から離れてマネジメント体制が刷新されたことがよい影響を与えているのでしょうか。
私がF1を観始めた頃の時点でウイリアムズは創業オーナーのフランク氏が既に高齢で、後継者探しをしていた状態でした。書いていて超久しぶりに思い出しましたが、2012年くらいまでは後継者として弁護士のアダム・パーという人物が会長を務めていましたよね。そのパー氏への引継ぎが上手く進まず、フランクの後任として娘のクレアが副代表に就任。しかし懐事情は改善せず、2020年に投資会社にチームが売却されたのは記憶に新しいところです。
その後2021年はWRCで実績のあるヨースト・カピートを代表に招聘。ラッセルと共に好成績を残すと2023年にはメルセデスと繋がりの深いジェームズ・ボウルズを代表に変えるなど、目まぐるしいスピードで変化を遂げていきます。この間入賞も増え成績が安定し、F1バブルを武器にペイドライバーに頼らないラインナップを構築。2025年に向けては優勝経験者サインツの獲得に成功するなど、これまでの創業家運営にはなかったスピード感で成長していきました。やっぱり投資会社のスピードってすごいよねぇ……。
ウイリアムズのカラーリングといえばホワイトだと思うのですが、オーナーの変更以降はブルー基調のカラーリングですね。さすがに1/64は塗装に光沢がなく、ミニチャンプスとは出来栄えで比較にならないですね。しかし数年前はろくにスポンサーもなく、オフテストにも遅刻し、近年になっても軽量化できずに塗装を削り取る状態でしたので、この2023年になってようやく近代チームらしくなったなと思います。
【スパーク Sparky ウイリアムズFW45 A.アルボン イギリスGP 2023】
イギリスGPではチームとしての800戦目を記念してスペシャルカラーで参戦しました。このユニオンジャックを纏ったカラーは本当にかっこいいですよね。上述のように光沢感が無いので1/64ではイマイチなのですが、8位完走と1/43を買うほどの成績でもなかったのでこれで我慢します……。でもこういう記念レースでしっかり入賞できるようになっただけで大進歩ですよ本当。
チームを牽引するアルボン。来年はサインツとタッグという、中団では最も強力なラインナップとなりました。レッドブルに乗れたけど結果が出せなかったアルボンと政治的な理由でレッドブルに乗れなかったサインツのバトルは結構注目で、アルボンとしては試練のシーズンになるかもしれないですね。
誰が見ても現在のF1はバブル状態、その恩恵を受けて各チーム大々的に投資を続けていますが、リーマンショック以降のF1を経験した身としては「どうせ何かあったらまたチームとスポンサーがサーっといなくなっちゃうんでしょ」と思わずにいられません。そんな中このレース屋ウイリアムズは何があろうとF1から撤退することはないでしょうから、こうしたチームがそんな将来を渡り切れるよう今のうちに強力な基盤を作り上げてほしいなぁと思います。
チームの存続がいよいよ怪しくなったのは2018-2020年頃でしょう。特に2018年なんてストロール・シロトキンという悪夢のようなコンビでしたからね。その後加入したラッセルの才能が首の皮一枚繋いだ感がありますし、もし今後フェルスタッペンの電撃移籍で彼がシートの危機に瀕することがあってもウイリアムズはいつでも彼を歓迎しそうですよね。
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