仮免デビュー

【ミニチャンプス ザウバーC20 K.ライコネン 20001】
かの有名な、ジュニアフォーミュラ経験わずか23戦でのF1デビューという伝説を残したライコネンの最初の一台。レース直前まで昼寝していたというマイペースさは相変わらずも、わずか1年でフェラーリ・マクラーレンという当時の二強の関心を惹きつけます。

モトクロスバイクでキャリアを始めたライコネンですが、資金に苦しみ大半の下位カテゴリーを経験しないままF1への切符を掴みます。かつて日本からF3のオファーを受けた際には「給料をもらってレースできるなんて驚いた」とのこと。しかし天賦の才は埋もれることなく、わずかなチャンスをものにしてF1テストを経験。この結果から「ジュニアフォーミュラより簡単だった」とのコメントと共にザウバーからのデビュー契約を獲得しました。

あまりの経験不足から4戦限定の仮免ライセンスでのデビューとなりましたが、デビュー戦を6位入賞で完走し周囲の不安を払しょくするとシーズンを通して2度の4位獲得など、非凡な才能を見せつけるデビューイヤーとなります。この年をリアルタイムで見れなかったことは本当に残念です。

この「C20」はザウバー史上屈指の名車で、BMW時代を除けばチーム史上唯一コンストラクターズ4位を獲得する大躍進を遂げました。成績では2年目のハイドフェルドが3位表彰台獲得でリードしますが、世間の注目は新人のライコネンに集まります。彼にとってデビューマシンが速かったことは非常に幸運でしたね。
ちなみにこのミニカーはES別注で再販されるまで非常に高値となっており、中古品も新車並みの1万円越えが基本となっていました。再販があって価格は落ち着いたものの、新旧それぞれデカールや塗装の質で若干カラーリングの艶が違うんですよね。艶感を求めるならES別注品かなと思います。

ルーキーながらその活躍でトップチームのフェラーリとマクラーレンから注目を集め、最終的には同郷ハッキネンの後釜としてデビュー2年目にして名門マクラーレン入りを果たします。シューマッハに認められ、ハッキネンの後輩を務め、そして最終戦の日本GPでは引退するアレジと交錯……と、1年目ながら時代の移り変わりを象徴する存在となりました。つくづくこの年を見ていなかったことが残念です。
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