伝説の始まり

【ミニチャンプス ミナルディPS01 F.アロンソ 2001】
2025年時点でもなお最年長ドライバーとしてグリッドで存在感を光らせるアロンソのデビューマシン。この年から四半世紀もF1で戦い続けるとは誰が想像できたことでしょう……。

3歳でカートを始めスペインからヨーロッパ各地のレースを制し、1999年にF1初テストを経験したアロンソ。キングメーカー・ブリアトーレの目に留まり2001年に史上3人目の10代ドライバーとして19歳でF1デビューします。数年前に10代ドライバーのデビューラッシュがありましたが、その先駆者ともいえる存在かもしれません。
この年は弱小ミナルディでの出走ながら、頻繁に中堅チームとのバトルを繰り広げ一躍大注目のルーキーとなりました。

ブリアトーレが率いたトップチームのベネトンはこの年低迷し入賞争いにも加われず度々下位を走行しましたが、そんなベネトンはアロンソにとって自身の実力を示す格好の餌となりました。
ベネトンなど中堅チームを非力なミナルディで追い回したことでブリアトーレの信頼を獲得し、翌2002年にはベネトン・ルノーでのテストドライバーのシートを獲得します。

この年からヨーロピアン航空に売却され、オーナーの名前を冠してマシン名称が変更されたミナルディ。直近5年で1ポイントしか獲得できていなかった弱小チームでしたが、そんな非力なマシンに負けることなくアロンソは才能を証明しました。
入賞できずとも他チームと争えるだけの競争力があれば本当の天才は頭角を現しますし、若手ドライバーをデビューさせトップチームに売り抜くミナルディのビジネスモデルはよく機能していたんですよね。

ミナルディでは記録に残る成績を残せず翌年はテストドライバーにまわったことで実績は同期ライコネンに先を許すことになりましたが、後のインタビューでこの2002年のテスト経験こそが自分の基礎になったとコメントするほど有意義なものだったようです。
当時は今と違い、専用のテストチームが組まれ世界各国をF1カレンダーと並行して転々として無制限に走行していましたからね。グリッド随一のマシンコントロールはこの年の訓練で生まれたものなのでしょう。このレベルでも基礎や下積みが大事なんですねぇ。
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