驚速

【ミニチャンプス マクラーレンMP4-20 K.ライコネン モナコGP】
前年前半戦に頻発したトラブルは後半に落ち着き、ようやく安定して戦えるかと思いきやこの2005年も再び出遅れました。それでも中盤から速さを取り戻し、キャリアで唯一のモナコGP制覇を成し遂げます。

開幕4戦で表彰台わずか1回と前年に続いて前途多難なシーズンが予想されましたが、第5戦スペインGPで2位アロンソに27秒もの大差をつけて快勝すると、このモナコGPでもポールトゥウィンを成し遂げ2連勝します。「MP4-20」は一躍グリッド最速のマシンへと進化し、ライコネンは2度目のタイトル争いをアロンソと競うことになりました。

しかしその好調が続くかと思いきや、続くヨーロッパGPでは首位走行中のファイナルラップにサスペンション破損という不運でリタイアに。フラットスポットを作っても交換できないという、この年の悪名高いタイヤ交換禁止ルールの被害者となってしまいました。その後もコンスタントに表彰台を獲得するのですがドイツGPで首位走行中にまたもリタイアし、さらにどちらもアロンソが首位に繰り上がったことで選手権へのダメージが最大化され、あえなくタイトルを逃すことになりました。

この年ルノー「R25」が独特なエンジンカウルで注目を集めましたが、この「MP4-20」もバイキングホーン型ウイングなど新型ウイングを装備。その速さと脆さに加えクールなカラーリングと狂暴そうなルックスで、20年近く経った今でも人気の高い一台ですね。タイトル争いに敗れながらも、多くの人がこの年最速のマシンはこれだったと認める異端の存在ではないでしょうか。
ちなみに、このミニカーはこのSA05ショーカーに続いて2台目に手にした思い出深いモデルです。一度だけ行く機会があったMr.クラフトで、どうしてもライコネンのマシンが欲しい!と探して手に入れたものでした。懐かしいー。

アロンソとの最終的なポイント差を考えれば、ニュルとホッケンハイムの2戦のトラブルでタイトルを落としたと言っても過言ではないこの年。歴史上速さが信頼性に敗れることはこれが初めてではないのですが、これほど圧倒的な速さを持ったマシンが敗れることは稀な気がします。
またライコネンにとっては2017年にチームオーダーを受けたことでこれがキャリア唯一のモナコGP優勝となってしまいました。マシン自体は人気があるものの、彼のキャリアではこれ以上に人気の高いマシンがいくつもあるのでシリーズものではあまりラインナップされませんね。1/24でも出ないかなぁと密かに期待しています。
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