見せた闘志

【ミニチャンプス マクラーレンMCL33 F.アロンソ 2018】
ホンダとの協議離婚を経てルノーPUへとスイッチしたマクラーレンの2018年。文句を言う先が無くなったためか、アロンソは不満をコース上で晴らすかのような力強いレースを見せます。

オフテストではPU変更によるトラブルもあり走行距離が全チーム中最下位に沈み、真冬のテストながらリアカウルがエンジンの熱で焼けるなど数々の問題が露呈したマクラーレン・ルノー。先行き不安の中始まった開幕戦でしたが、アロンソは5位入賞し「これで戦える!」とチームラジオで歓喜します。

ホンダへの当てつけのようなこの発言でしたがその後勢いは続かず、この開幕戦5位を最高位に徐々に失速。アロンソが開幕から5戦連続入賞を果たしたものの、他チームがアップデートを投入した中盤以降は全く太刀打ちできず、Q1落ちも頻発し後半戦は両ドライバー合わせわずか3度の入賞と復活には程遠い1年となってしまいました。

近代マクラーレン失墜の象徴として、前年「MCL32」とこの「MCL33」はセットで語られるべきでしょう。コンスト9位-6位と散々な結果で語らずとも皆が知る暗黒期でしたが、チームからは「チョコバーゲート」なるどれだけ残業してもチョコバーお菓子が1つ配られるだけという悲しい内部告発まで発生。当時のチーム環境は外部から見えている以上に悲惨だったようですね。
結果的にマクラーレンはルノーPUへの変更で車体側の問題を自覚し、さらにルノーPUの問題点にまで気づけたことでメルセデスPUへの変更に成功し復活を果たすことが出来ました。底辺にして転換期と言えるマシン2台ですね。

アロンソはもはやF1での勝利を諦めシーズン途中でのルマン参戦を決めるなどやりたい放題した2018年ですが、ホンダという批判の矛先を失ったことでコース上では闘志を見せるレースが多かった印象です。
特にアゼルバイジャンGPではスタート直後の接触で前後のタイヤをバーストしリタイアしてもおかしくなかったものの、執念でピットに戻り怒涛の追い上げで7位入賞を見せました。1点にこだわる彼の強さが出た場面で、マクラーレン時代のアロンソでは一番のお気に入りのレースです。
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