再びの接触

【ミニチャンプス マクラーレンMP4/5B A.セナ 1990】
前年まで争ったライバル、プロストがフェラーリに移籍したことで、フェラーリvsマクラーレンの構図となった1990年シーズン。3度目の戦いは、再び鈴鹿での接触によって決着を迎えます。

全16戦中11戦の有効ポイント制で争われた1990年シーズン。ベルガーを招き入れセナのエース体制を築いたマクラーレンと、プロスト・マンセルのWエース体制となったフェラーリが6勝ずつをあげて真っ向勝負となりました。

シーズンはセナとプロストが交互に勝利を挙げて一進一退で進んだものの、ポルトガルGPでは待遇に不満を抱いたマンセルがセナの手助けとなるシーズン初優勝を達成。これによりセナは優位のまま最終戦日本GPを迎えポールを獲得するのですが、スタートでリードしたプロストにそのまま道を譲らず両者接触。1コーナーのグラベルの中でチャンピオンシップは決着しました。

NAエンジンの性能差が縮まりつつあった1990年、ホンダのパワーに依存してきたマクラーレンはシャシーの開発の遅れが見え始め、ダウンフォース不足が露呈しました。なんとかダブルタイトルを獲得したものの、この間ハイテクデバイスや空力開発に注力してきた他チームとの差は数年後顕著に表れていきます。

ライバルが移籍したことでチーム内の問題が解決されたセナ。ベルガーとの関係は良好だったようで、後に暗に意図的だったと認めた後味の悪い決着ながら2度目のタイトル獲得を大いに喜びました。一方でマクラーレンのパッケージはかつてのように支配的なものではなくなりつつあり、セナはライバル関係に悩まされずに済んだ一方で、競争力不足という新たな問題にぶつかります。
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