メルセデスW11 G.ラッセル サクヒールGP

メルセデス2020

一度ならず二度までも……

【ミニチャンプス メルセデスW11 G.ラッセル サクヒールGP 2020】

ハミルトンのコロナ感染で最速マシンでの代役のチャンスを得たラッセル。実力者と評されながらマシンに恵まれなかった彼にとってその真価を示す絶好のチャンスでしたが、待ち受けていたのは信じられない不運の連続でした。

急な代役で長身の彼に合わない狭いモノコックでレースすることになったラッセルですが、そんな不利は物ともせずFP1から好タイムを連発。予選では僅差でボッタスに敗れたものの2位、フロントローを獲得しました。

この段階では彼の勢いに疑う余地はなく、レースではあっという間に逆転して初優勝を挙げるだろうと思っていたんですけどね……。

スタートで大方の予想通りにボッタスを追い抜くと、そのまま首位の座を維持し続けたラッセル。レースの75%が終了し優勝は盤石かと思われましたが、直後のSC中のダブルストップでチームメイトのタイヤが取り付けられるという信じられないミスが起こります。

付け替えに余計なピットを余儀なくされて後退したラッセルですが、それでもニュータイヤの利を生かして怒涛の追い上げを見せ2位までカムバック。これでやはり優勝は彼のものと思われたのですが……。

猛烈な追い上げでリードチェンジは時間の問題となったところで、残り10周を前に再び信じられないことにデブリが起因してラッセルのタイヤがパンク、ピットインを余儀なくされこれで終戦を迎えてしまいます。無情にもラッセルの初優勝の夢は儚く消えてしまったのでした……。

誰もが予選からの勢いそのまま代役で初優勝のサクセスストーリーを予期していただけに、信じられない結末でしたよね。「一度のミスなら挽回できた」という本人のコメントが涙を誘います。レース後インタビューの直後に仰向けに倒れ込む彼の姿が非常に印象的でした。

ただ彼はウイリアムズ時代で既にこのショックから立ち直っているようで、メルセデス移籍を前に「この経験が自分を強くする」とコメントを残しています。怪我の功名というか、初表彰台が苦楽を共にしたウイリアムズだったのは素晴らしかったですよね。

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