将来のF1ドライバー
【スパーク チーム無限 スーパーフォーミュラSF23 L.ローソン 2023】
F2で既に結果を残し次期F1ドライバー最有力候補という触れ込みで2023年のSFに参戦したローソン。結果は早々の大活躍でシーズン中のF1デビューを飾りました。
コロナが落ち着き、バンドーン・ガスリーに続く久々の海外からの大物ルーキーとしてデビュー前から注目を集めたローソン。育成支援するレッドブルのサポートを得て強豪無限からの参戦となりましたが、その期待に応え史上初のスーパーフォーミュラデビュー戦で初優勝という華々しいスタートを飾りました。
その後も2年連続チャンピオンのチームメイト、野尻選手や初優勝を挙げて成長著しい宮田選手との戦いを繰り広げ長らくポイントリーダーの座を維持します。ライバルに流れが傾きかけたところでオートポリス・富士での2勝を加え、最終戦までチャンピオンの最有力候補として大混戦のシーズンの主役の一人となりましたね。
2023年より投入された新型車両SF23。コロナの混乱もありシャシーの基本設計は先代のSF19と大きく変わらないそうですが、前後のウイングを中心にボディーワークに変更が加えられ現在のF1マシンと遜色の無い近代的なフォーミュラカーとなりました。SF23は本当にとてもかっこいいマシンですよね。
全車リリース2年目となるスパークのパッケージは基本デザインは変わらないもののチェッカーの色が赤から緑に変更になりました。この色が毎年変わっていくのでしょうか。残念ながら全車シーズン中の発売とはならなかったものの、序盤のレース会場から早々に試作品が展示され期待膨らむモデルでしたね。
複数のフラップを装着する方式から曲線的なデザインに刷新されたフロントウイング。現在のF1マシンにも通ずるデザインでいかにも最先端フォーミュラカーの顔という感じがします。シーズン中にNHKで放送された特集番組によるとノーズ一式約500万円なのだとか。値段だけ見るとお高いのですが、ピットウォークなどで現物を間近に見ると結構湾曲が複雑でレーシングカーにしてはお安い値段のような気がします。一見の価値ありです。
コックピット周り。ニュージーランドのアイデンティティであるシルバーファーンという植物を大々的にあしらったヘルメットデザインがかっこいいですね。22年以降のF1マシンはボディに付随するあらゆるウイングが禁止されてしまいましたが、こちらはサイドポッドウイングにシャークフィンなどかっこよかった空力デバイスが残っているので見ごたえがあります。特にサイドポッドのウイングは実車だとかかなり迫力があるので要チェックです。
リアウイングも曲線的なデザインとなり、2020年代のフォーミュラカーのトレンドを抑えた作りになりました。パーツ単体で見るとそれほど複雑ではないのですが、マシン全体で見るとSF19と比べて一気に先進的なデザインを感じさせる重要な要素となっています。F1-F3カテゴリのピラミッドにはDRSがありますが、SFはOTSを採用しているため不格好なステーがないのもかっこよいです。自動車メーカー、というかEV時代に貴重なエンジンメーカーとなった二社が作り上げたカテゴリですから、SFは安易にDRSの導入に傾かないで欲しいですね。
真上から見るとこのマシンが結構左右非対称であることに気が付きます。レース映像ではあまり気付かないですけど、かなり違いがありますね。乗車位置が中央ではないプロトタイプ・GTカーならわかるのですが、フォーミュラカーで左右非対称にする理由ってあるんでしょうか?日本のサーキットが全て右回りだからとか???
残念ながら茂木でのオープニングラップのミスが響きチャンピオンを逃してしまったローソンですが、その活躍が認められシーズン中にケガをしたリカルドの代役として晴れてF1ドライバーデビューを果たしました。「将来F1を走るドライバーだから日本にいるうちに観に行こう」と思っていたのですが、まさかシーズン中に昇格を果たすとは恐れ入りました。
最終戦の予選ではチームメイトに駆け引きを仕掛けるなど、日本人だけで見られない貪欲に勝利を目指した闘志がカテゴリ全体を盛り上げてくれましたね。今後も血気盛んな若者の武者修行の場として、世界を代表するカテゴリーになってほしいです。魅力あるカテゴリとなったSFですが、足りていないものは世界中を打ち負かしたいという強い強い闘争心なのではないかと示唆してくれる存在でした。
将来の活躍が確約されたローソンはSFのパドックでも大人気でサインを貰うのも大変だったのですが、ある場所では比較的余裕を持っていただくことができました。2023年の貴重な思い出として大事にします。やっぱりあのサーキットでの観戦は去年一番の思い出だったなぁ。
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