宿命の対決
【ミニチャンプス レッドブルRB18 M.フェルスタッペン カナダGP 2022】
コロナ禍の混乱を経て3年振りの開催となったカナダGP。このレースは2015年に同期デビューした若い逸材、フェルスタッペンとサインツがコース上で優勝をかけて直接対決する初めてのレースとなりました。
二人の対決は予選から始まり、大雨で大混乱となったセッションはフェルスタッペン1位、サインツ3位の上位対決で幕を開けました。アロンソおじさんが10年振りにフロントローを獲得しなければ、1-2対決で華々しいスタートとなったはずなんですけどね……。当時最年少デビュードライバー達の決戦の場に顔を出してくる最年長アロンソさすがです。
2015年に当時最年少として期待されたサインツと、その彼をも上回る若さでデビューしたフェルスタッペンはその拮抗した実力からデビュー直後にはもうチームが険悪なムードとなるほどでしたが、ついに雌雄を決する時がきます。レースはアロンソが後退し二人が1-2で争う状況でしたが、SCによって残り16周、僅差の状態での勝利をかけたコース上での直接対決が繰り広げられることになりました。
ファステストラップを刻んで追いかけるサインツと、1秒以上の差を維持してDRS圏内に入れたくないフェルスタッペンのバトルはかなり緊張感があって見ごたえがありましたよね。この時記録では既に片やチャンピオン、片や未勝利ドライバーと大差がついていましたが、サインツの意地を見ることができたレースだったなと思います。
最終的に0.993秒差でフェルスタッペンが勝利したこのレース。二人の逸材を2015年のデビューから7年間見続けてきて、どちらが速いのか?という疑問は常々ありましたがこの1秒を切った差が答えなのかなと思います。将来偉業を成し遂げると言われた大物ルーキーたちが時に出す、その答え合わせのようなリザルトが私は大好物なんですよね。
サインツは記録で見ればフェルスタッペンに完敗するキャリアなのでしょうが、当時そのマックスと同格の扱いを受けたが故にキャリアで回り道した人がいたことを忘れたくないですし、このレースはその二人の貴重な直接対決の記録として残ってほしいなと思います。
ライバル対決の始まりとなった2015年。当時からどちらも若い逸材と叫ばれていたとはいえ、二人とも揃ってグリッドを先導するドライバーになるとは思いませんでしたね。
サインツのデビューマシン。当時の実力はそう変わらなかったと思うのですが、レッドブル昇格というひとつのチャンスが回ってこなかったことで大差がついてしまいました。片や別注ミニカー連発、片や通常モデルオンリーというのは悲しいです……。
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