スタートは良かったものの……

【マテル フェラーリF2007 K.ライコネン 2007】
皇帝シューマッハの後任として跳馬入りしたライコネン。2007年シーズンの開幕戦ではフェラーリデビュー戦をハットトリックで飾りますが、その後は苦戦を強いられました。記憶の彼方に飛んだ苦戦続きの前半戦仕様のご紹介。

フェラーリとマクラーレンの二強争いとなった2007年シーズン。前年に続きフェラーリに残留したマッサを除き、残る3名は移籍組と新人という未知数の状況で始まりました。
そんな中、開幕戦オーストラリアGPはライコネンがポール・優勝・ファステストラップを記録するハットトリックの完勝で最高のスタートダッシュを決めます。

その勢いのままライコネンを中心にシーズンが進むと思われましたが、その後の序盤戦はマクラーレン勢の連勝や成長した僚友マッサの躍進もあり、思うように結果が残せない時間が続きました。
シーズンの約1/3となる6戦を終えた時点で優勝1回3位2回で、タイトルを争いながらポディウム獲得率わずか50%という苦しい展開となりました。まだ後半戦があるからと思いつつも「これ本当に大丈夫かな……」と不安になるような、マクラーレンに押される序盤戦でしたね。

2024年時点でもフェラーリ最後のドライバーズタイトル獲得マシンとなっている「F2007」。チャンピオンを獲得した際はメタリックレッドでカナードの付いた後半戦仕様にアップデートされていたため、「F2007」といえばその印象が強いですよね。
上述のように成績の乏しいこの前半戦仕様はカラーリングも目新しさがないため人気が無く、1/43でドライバー付きの量産モデルはマテルのイマイチな通常品しかリリースされませんでした。デカール加工しないとマルボロデザインを取り除いてデザインが別物になってしまったヘルメットがひどいんですよねぇこれ……。

表彰台からも遠のきいよいよタイトル争い脱落かと思われた第7戦フランスGPでのアップデートで奇跡的に復活し、2連勝を挙げて何とか首の皮を繋いだライコネン。
以降の完走レースは全て表彰台圏内でフィニッシュするのですがタイトルの行方は完全にマクラーレンの二人が握っているという状況で、イタリアGPに凱旋する頃には解雇・更迭論まで噴出するほど叩かれていました。前半戦仕様のこのマシンはそんなバッシングの印象が強いですね。
後にルクレールとの比較で叩かれていた晩年のベッテルに対する「フェラーリで走るプレッシャーは特別」というライコネンの言葉はこの時代を知っていると重みが違うなぁと感じました。あのアイスマンでも参っちゃうくらいなんですもんね……。
2006年後半にシューマッハの引退記念モデルを乱発したマテル1/18シリーズですが、その勢いのまま開幕戦のハットトリックをお祝いした1/18の祝賀品もリリースされました。
ただその後の低迷で次の特別モデルは終盤戦まで待つことになり、マテル1/18バリエーション展開は一瞬で勢いを失ってしまうのでした。
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