ロータス T128 H.コバライネン

ケータハム・ロータス2011

躍進の年

【スパーク  ロータスT128 H.コバライネン 2011】
チーム参戦2年目、新規3チームの中では抜きん出た成績で既存のチームに後一歩のところまで迫りました。 この年がこのチームのベストシーズンだと思います。

近代マシンのトレンドに追いつくため、エンジンをコスワースから競争力のあるルノーに変更したロータス。あわせてギアボックスもレッドブル製を搭載し、信頼性重視でKERSの搭載を見送ります。この決断が当たり、チーム設立後初のQ2進出を果たすなど著しい進歩を見せました。

終盤戦では苦戦するウイリアムズまでKERSがあれば追いつく程度の差まで近づき、翌年のポイント争いを予感させました。2010年から参戦した新規3チームの中では頭一つ抜き出ていて、エースのコバライネンの走りも評価が高くレガシーチームに追いつきF1に定着するのは時間の問題だろうという期待が大きくありましたね。本当に希望に満ち溢れていた2011年シーズンでした。

上述の改善の成果か、前年の野暮ったいマシンからガラリと変わって一気に近代マシンのルックスに近づいたこの「T128」。見栄え・成績ともに2011年のF1マシンとして見劣りしませんでした。また当時はこのグリーンのカラーリングが新鮮で、中堅チームまで成績が上がれば人気は爆発しただろうなと思わせる勢いがありました。

マレーシアの富豪トニー・フェルナンデスの肝いりで始まったロータスF1チーム。フォースインディアを立ち上げたビジェイ・マリヤに続く「アジア第二の雄」になるかと思われましたが、あっという間に愛想を尽かしてしまい、チームは投資家のおもちゃにされて幕を閉じました。この2011年の進歩から翌12年の停滞が許せなかったという話もありますが、そんなのは参戦前に織り込んでいてほしい……。

マクラーレンを追われたとはいえ優勝経験もある5年目のコバライネンは勢いがあり、レッドブルやルノーとの提携から将来性も感じたロータスチーム。いいチームだったんですけどね。

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