2004年チャンピオン M.シューマッハ

World Champion Collectionフェラーリ2004

F1に残る金字塔

【ルックスマート フェラーリF2004  M.シューマッハ 2004】

フェラーリ・シューマッハのコンビネーションの最後のタイトルとなった2004年シーズン。彼らにとっての集大成でもありますが、1950年から始まったF1の一つの集大成ともいえるかもしれません。

全18戦で争われた2004年シーズン。前年の不調が嘘のように、フェラーリが大躍進を遂げます。開幕からシューマッハが5連勝を挙げると、モナコGPでは追突を受けてリタイアしてしまうものの、その後のレースでは7連勝を達成。残り4戦を残して7度目のタイトルを決定します。モナコGPでの事故がなければ、アスカリ・ベッテルが記録した9回の連勝記録は13に更新されていたかもしれません。

他のトップチーム、マクラーレン・ウイリアムズ、ルノーにそれぞれ1勝ずつを許したものの、15勝10PPという圧倒的な成績でフェラーリはシーズンを支配します。シューマッハは終盤の中国GPやブラジルGPではクラッシュなどもあり下位でレースを終えますが、得意の日本GPではポールトゥウィンを決めて集大成となるシーズンを終えました。

信頼性を重視してF2003-GAの継続開発によって生み出されたF2004はその判断が当たり、弱点を克服して支配的な速さを見せた一方でシーズンを通して両ドライバーともメカニカルトラブルによるリタイアはなく、速さと信頼性を兼ね備えたまさに最強ともいえるマシンとなりました。これ以降何年もの間、この年このマシンが記録したコースレコードは更新されないまま歴史に残り続けていきます。V10エンジンのエキゾーストも素晴らしく、もはや芸術品ともいえる一台です。

そんなF2004ですが版権の都合ドライバー付きでのモデルはマテルの品質の低いものしかなかったため、ルックスマートによってハイクオリティで再生産されたのはとても喜ばしいことですね。

5連覇、7度のタイトルという金字塔を打ち立てたシューマッハ。若くして将来を渇望され、セナ亡きあとのF1を引き継いだ彼の集大成がこの記録とも言えるでしょう。この記録は現在ハミルトンによって更新されていますが、それでもF1人気を一手に担い、世界中のワークスチームを相手に戦い抜いたシューマッハの記録というのは、数字以上にF1の中では特別なものなのではないでしょうか。

これ以降のF1は環境問題やコスト問題によってただ最速を目指すということが難しくなってしまい、それ故に10年以上も2004年の記録がコースレコードに残る事態を生みました。ファンジオに始まり、最速の車を作ることを目的に争われてきたF1は、この年のF2004、V10エンジンによって一つの区切りを迎えたのではないかなと感じてしまいます。

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