悲劇のブラジル

【ミニチャンプス フォースインディアVJM05 N.ヒュルケンベルグ 2012】
ウイリアムズから大物ルーキーとしてデビューしながらわずか1年でシートを失い、フォースインディアのテストドライバー浪人を経てレギュラードライバーに復帰したヒュルケンベルグ。彼はどこまでできるんだろう?と期待しながら応援していました。

2012年の中堅争いはザウバーが複数表彰台獲得で一歩リードし、一方のフォースインディアはベルギーGPでの4位が最高位と、ヒュルケンベルグの表彰台への夢は叶いませんでした。
もしウイリアムズに残留できていたらこの年優勝していたのは彼だったかもしれません。翌年のザウバー移籍もそうですが、つくづく表彰台とは縁のないキャリアを歩んでいきましたねぇ。

そんな彼に沸いた最大のチャンスが最終戦ブラジルGPでした。デビューイヤーにPPを獲得した歓喜の地で、今回は雨の中マクラーレン相手に優勝争いを繰り広げます。
残念ながらミスからスピンして接触、ペナルティもあり大きく後退してしまいましたが、あのペースのまま走り切っていれば表彰台は獲得できていたでしょうにとても悔やまれる一戦です。

この頃のインド全開のこのカラーリングは華やかで好きでした。最近は黒や白、グレーといったモノトーンカラーが多いので、こういう鮮やかなカラーのチームが増えて欲しいですね。
2010年にレッドブルが始めた車載カメラをノーズ先端に搭載した通称「カモノハシノーズ」など、速いライバルチームのデザインを随所に取り入れたチームの哲学が感じられます。

そんなブラジルGPは残念ながら5位に終わってしまいましたが、実質2年目の新人としては見事な首位争いだったのでトップチームの目に留まり、以降はフェラーリやマクラーレンからオファーの噂が出るようになりました。
しかし結局移籍の夢は叶わず、2025年まで未表彰台獲得の最多参戦記録を伸ばし続けることになります。初年度彼が名を挙げたブラジルGPですが、この年せめて表彰台を獲得できていればと思うと悲劇のレースという印象が強く残ってしまいますね。
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