最後のポディウム
【ミニチャンプス メルセデスW03 M.シューマッハ ヨーロッパGP 2012】
シューマッハがF1最後となる155回目のポディウムを獲得した記念のミニカー。先日ハミルトンに抜かれるまで、これが最多の表彰台獲得記録でした。
2012年のメルセデスは、WダクトやダブルDRSなど複雑なデバイスを盛り込んでアグレッシブに攻めたマシンを開発。生み出されたW03は失敗作だった前年のW02とは見違える速さを見せました。特に予選での速さはトップチームと互角に渡り合い、ロズべルグは中国GPで、シューマッハはペナルティで幻となりましたがモナコGPでPPを獲得しています。しかし予選で上位に出るも、決勝レースではあまりのタイヤ保ちの悪さからずるずると後退。トレインを生む姿は何度も国際映像に映りましたね。後半戦は各チームタイヤへの理解が深まり、予選で前を出ることも難しくなってしまいました。
シューマッハは中国GPでロズベルグと1-2の可能性もあったのですが、タイヤ装着ミスによりリタイアしてしまいます。この頃はシューマッハにトラブルが集中していて、チーム内に彼を追い出したい一派がいるのではないか?とも噂されたほどでした。ですがチームのミスがなかったとしても、スペインGPやシンガポールGPではらしからぬ追突事故から衰えを感じさせ、目立った結果には繋がらなかったような気がします。
W03はメルセデスが復帰後初めてまともに活躍したマシンとあって、メルセデスで初めてミニカーを本当に欲しいと思った1台です。しかし8年前ものモデルとあって、ガッツポーズの出来はひどいものです。マッチ棒みたい。着座しているドライバーフィグが加工されるようになったのはここ数年のことですよね。スパークとの争いが続く中でミニチャンプスはドライバーフィグにも力を入れ始め、かつては同じスタンディングフィギュアを色だけ変えていたのに、近年はバリエーションが豊富になって出来も良くなっています。
復帰してからの3年間目立った活躍がなく、唯一の表彰台となったヨーロッパGPも予選12位から上位の相次ぐリタイアによる棚ぼた的なものでした。メルセデスでの3年間ではマシンに十分な速さがなく、彼の実力を考えるとこの成績はマクラーレン時代のアロンソのように同情的な評価を得てもいいと思うのですが、それが少ないのはカムバックまでのブランクで実力が衰えたという見方が強いからなんでしょうかね。皇帝として君臨した彼にとっては寂しい最後で、その後の衝撃的な事故によって表舞台から姿を消してしまったシューマッハ。最近はハミルトンが更新する数々の最多記録の持ち主として名前を聞くばかりですが、息子ミックがシューマッハに新たな記録を残してくれることを期待しています。
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