フェラーリ F14T F.アロンソ

オリジナルモデルフェラーリ2014

見ていて辛くなる一台

【マテル フェラーリF14T F.アロンソ 2014】

アロンソのフェラーリ最後の一台。PUの新規定に全く適応できなかったフェラーリは2度の表彰台のみでシーズンを終え、アロンソはフェラーリを去ります。

フェラーリ時代のアロンソは決して最速のマシンに恵めれなかったものの、それなりのマシンを与えれば結果を持ち帰る絶対エースとしてチームを引っ張ってきました。

しかし悉くベッテルに敗れ続け、チームはチャンピオン獲得の大チャンスだった大型エンジンルール変更でまさかの大失速を喫してしまいます。

マシンのシェイクダウン時点ですでにパワー不足に不満を持っていたとされるアロンソ。長年フェラーリに忠誠を尽くしたといってもいいほど結果を出してきた彼にとって、待ち望んだ新たなチャンスでこの惨状は耐え難い苦痛だったことでしょう。

レース中無線でのチーム批判はこの頃から増え続け、ついにはチームに愛想を尽かし移籍を決断してしまいました。まぁ、当時の跳馬の低迷を思えば誰がアロンソを責められたことでしょう……。

メルセデスやそのPUを使うウイリアムズに負けたのはもちろん、同じくPUに苦戦したレッドブルにも完敗したのは本当に「惨敗」という結果でした。

王者ハミルトンにはダブルスコア以上の差をつけられ、ランキング6位と完全に戦いからは外れています。それでも長年セカンドとしてこき使ってきたウイリアムズのマッサにはしっかり勝つあたりはさすがでしたね。

見るからに遅そうなノーズは当時「掃除機」などと揶揄されていました。アリクイノーズほど醜くなかったものの、私も「フェラーリがこのデザインを良しとするのはどうなんだ」と思いました。

またこの年をもってフェラーリのミニカーはマテルからブラーゴへと版権が移りました。ライバルがミニチャンプスなので出来はどうしても大差がついてしまいますが、シューマッハからアロンソまでフェラーリの「それなり」のミニカーを提供してくれました。マテルはフェラーリ絶頂期に版権を持つことができましたね。

アロンソが2018年に引退するまで、キャリア最後の表彰台はこの年のハンガリーGPになってしまいました。実質的にこの年で彼の第一次F1キャリアは終わっていたのでしょう。個人的にはイタリアGPで奮闘中にリタイアした瞬間にすべてが事切れてしまったのかなと思ってしまいます。以後のマクラーレン時代はエンドロールみたいなものでしたねぇ……。

2010年の華々しいデビューウィンから始まったアロンソのフェラーリ時代。ずっと応援していたのですが、悲しいかな彼はベッテル活躍劇の狂言回しに過ぎず、3度目の王座を得ることができませんでした。

僚友ライコネンとは往年のライバルで、ポスト・シューマッハ時代の二傑が揃ったドリームチームとして開幕前の期待値はとてもとても高かったのですが、マシンが公開された直後には「こんな醜いマシンに二人を乗せるのかよ……」とがっかりしました。結果はもちろん言わずもがな。

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