どこを走っていたのでしょう?

【マテル フェラーリF14T K.ライコネン 2014】
アロンソ&ライコネンという2000年代を見ていた人にとっては夢のような、まさにドリームタッグがなんと名門フェラーリで実現したこの年。ドリームチームとなるはずだったのですが……。

マッサに変えてロータスで再び実力を示していたライコネンを呼び戻した2014年のフェラーリ。2010年のアロンソ採用時には二人は両立し得ないとして放出した過去がありますが、レッドブルへの連敗で背に腹は代えられず再雇用しました。今思えばこのWチャンピオン体制が誕生したリリース発表時が期待のピークでしたね。

シーズンが開幕すると、ライコネンはハイブリッドエンジン搭載に伴い導入された回生ブレーキとその調節を行うブレーキ・バイ・ワイヤ(BBW)の適応に苦しみ、一向に改善しないまま中団を彷徨いました。アロンソがなんとか表彰台をと前線で奮闘する一方、ライコネンは国際映像に映ることすらもままならずフェラーリにいながらどこを走っているのかわからない時間がほとんどでした。

結果をみても最高位4位、ランキング12位というフェラーリドライバーらしからぬ成績でシーズンを終えています。しかし本当にどこを走っていたのでしょうか、記憶が全然ありません。唯一はっきり覚えているのはイギリスGPでコースオフからスピン、大クラッシュを起こしレースを中断させたことくらい。後方スタートからコースオフして復帰の際に縁石でスピンしてクラッシュって、ルーキーレベルのミスだと思うのですがそれほど扱いに苦戦していたのでしょうか……。

アロンソがこの年限りでフェラーリを離脱したため、このドリームチームは1年限りで終わってしまいました。その後ベッテルが加入してからはすっかりお世話係みたいなポジションで、まともに優勝争いをさせてもらえません。悲しいかな、以降はチーム内の便利屋みたいな扱いをフェラーリで受けることになってしまいます。これでも跳馬最後の王者なのにね……。
ライコネンのF1未勝利は離脱中の2010-11年を除き06年のマクラーレンまで遡ることに。この年はルノー・フェラーリの二強に後れを取ったものの勝利のチャンスはあるにはあったのですが、この2014年は微塵も感じませんでしたね。
コメント