マクラーレン MP4-21 K.ライコネン

マクラーレン2006

まさかの未勝利

【ミニチャンプス マクラーレンMP4-21 K.ライコネン 2006】

前年信頼性不足によってタイトル争いに敗れたライコネンでしたが、この年は速さそのものが不足し未勝利のままチームを離脱します。

開幕戦でノックアウト予選が導入されるとそのQ1、リアサスペンションの破損によってリタイアを強いられた彼は今なお続くこのフォーマットの最初の犠牲者として記録されることになりました。前年のトラブル連発は年が変わっても解決せず、この予選を終えてチームから「ライコネンを失うことになる」とコメントが出るなど彼の心は既にここにあらずという状態だったんでしょうね。

そんな開幕戦を最後尾から3位まで追い上げたもののルノー・フェラーリには太刀打ちできず、珍しくチャンスがあったモナコGPでは2位走行中のエンジンブローに激怒、リタイア後ピットではなく自身のクルーザーに戻って酒を飲む様子が放送される事態になりました。シューマッハはマッサのシートのために引退したなんて噂もありましたし、きっとこの時点で既に翌年のフェラーリ入りは決定していたんでしょうね。

タバコ広告規制を受けて前年にWestを失い、大口スポンサーの無いまま迎えた2006年。翌年からはハミルトン時代を象徴するボーダフォンを獲得しますが、中途半端に赤が入ったこの年は過渡期という感じであまりかっこいいマシンとは思えませんね。後半にホンダが躍進すると4番手にまで落ちましたし、普通に失敗作でしたね。

苦戦した2006年ですが、唯一勝利の可能性があったのは雨で混乱したハンガリーGPでした。アロンソ・シューマッハの二傑がペナルティで後方スタートになり、ライコネンは盤石の首位走行になるかと思われたレース途中、まさかの周回遅れへの追突でリタイアとなりこの年最大のチャンスを逃してしまいます。

デビューイヤーと第二期フェラーリ以降の晩年を除いて際立つライコネンの未勝利イヤーとなったこの年ですが、シューマッハの引退発表の舞台となったイタリアGPでは2位に入賞し会見に立ち合い、後継者としての役目を正式に任されることになりました。これがこの年の最大のハイライトでしょうね。

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