モナコでも戦えた日本人ドライバー
【スパーク ザウバーC30 小林可夢偉 モナコGP 2011】
2011年シーズンの最高位にして、未だ破られていない日本人の最高位5位を記録したこの年のモナコGP。完璧なレースで、表彰台の可能性すら感じられたレースでした。
この年のモナコGPは1ストップの首位ベッテルを2ストップのアロンソが追い、さらにその二人を3ストップのバトンが狙うという非常に見ごたえのあるレースでした。そんな中可夢偉選手は速さの勝るウェバーを抑えながら前を攻略し、一時4位を走行します。激しく争う首位3台に何かあれば……と思わずにはいられませんでした。
残念ながら終盤の多重クラッシュで赤旗が出てしまい、これで全車タイヤ交換が許可されたことでアンチクライマックスなレースとなってしまいました。可夢偉選手も地力に勝るレッドブルを同じ新品タイヤでは抑え切れず順位をひとつ落としますが、最後はハミルトンからポジションを守りきり5位入賞を果たします。未だ破られていない、モナコGPでの日本人ドライバー最高位です。
サイドポッドのブルドックロゴが特徴のモナコGP仕様のC30。相当数作られている様で中古市場の相場は著しく安く、福袋では過去2度当たったことがあります。でもミニカーが安くてもこのマシンの価値が落ちるわけではありませんし、小林可夢偉のマシンならC31の鈴鹿仕様と合わせてぜひこれも手にしておきたい一台ですね。中堅ザウバーでモナコGPを5位完走というだけでも十分すごいのに、それが日本人ドライバーによって達成されたマシンなのですから。
チームメイトのペレスが予選の大クラッシュで欠場する中、チームの重い雰囲気を見事に払拭した小林可夢偉。彼のF1キャリアの中で5位以上の入賞レースは4度ありますが、やはりモナコGPで成し得たという別格感があります。この活躍があるので、もう日本人がモンテカルロで入賞する程度なら何の驚きも無くなりました。間違いなくこの年の彼のベストレースですね。
この年は3強6台による上位入賞が決まっていたようなものだったのですが、なぜか不調のハミルトンがマッサと絡んで接触を頻発したことで中堅勢にも上位入賞の可能性が何度かありました。それでもメルセデスやルノーとのし烈な争いを制さなければ届かない結果だったので、本当に素晴らしい成果だったと思います。
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