ブラーゴ マクラーレン MCL60 レビュー

マクラーレン2023

ブラーゴのシルバーって、どうなの?

【ブラーゴ マクラーレンMCL60 O.ピアストリ イギリスGP 2023】

ブラーゴのマクラーレンはイギリスGP仕様のクロームシルバーカラーでのリリースということでこちらもあわせて買いました。鏡面シルバーの再現は難易度高いので、出来栄え調査です。

今回はピアストリのマシンを選択しました。2023年に話題を総なめしたルーキー、というか終盤安定しすぎていて新人認識されていなかったレベルの逸材ですからね。ただブラーゴはノリスモデルは国内での取り扱いが多いものの、ピアストリはあまりなく探すのに一苦労しました。結局Amazon経由で中国から取り寄せです。これも定価5,000円かな?

シルバーの検証に入る前に、まずオレンジカラーの素晴らしい改善が目につきます。去年は実車やミニチャンプスが蛍光オレンジ風で、ブラーゴは銅のような色合いと全然違うモデルがリリースされましたが今年は一目で今シーズン走ったマシンだと分かる、違和感のないオレンジです。というかぱっと見時点ですごくかっこいいですねこれ。

イギリスGPのカラーリングは素晴らしく、スタイリッシュでとてもよかったですね。かつてを知る往年のファンにはもちろん、初めてマクラーレンのシルバーを見るファンにとっても印象的だったのではないでしょうか。このミニカーでも細かな塗分けがしっかり再現されています。前後のアングルの写真ともかっこいいですよね。残念ながらサイドポッドの電子タバコのロゴはありませんが、こちら対象年齢14歳なので当然でしょう。

ブラーゴ同士によるマクラーレン前年比較画像。去年のモデルはデザイン・カラーリング・そしてモデルの出来全てがひどすぎて並べると雲泥の差ですね。細かい改善としてはホイールのグーグルクロームカラーが内側だけの塗り分けに変更されており、チープだった去年と比べ今年は「おもちゃ」感が減っています。数合わせに作られたのではなくちゃんと売り出すために用意されたミニカーだとわかります。

ここから各部アップ画像、そしてクロームシルバーのチェックです。まずはフロントウイングから。シルバーで塗装した上に黒を上塗りして塗分けしているような作りに見えます。シルバーは市販のプラモデル用塗料の銀という感じで、残念ながらクロームシルバーらしい鏡面的な輝きはありませんでした。まぁこの価格帯ではしょうがないね。

リア周り。こちらのシルバーもフロントと同じ塗装で、鏡面仕上げとはなっていません。近年のマクラーレンの複雑な塗り分けを再現している点は非常にポイントが高いのですが、この価格帯の限界はこの辺かな、という気もします。ただこれは4倍近いミニチャンプスや倍以上するスパークとの比較なので、この値段でのクオリティとしては非常に素晴らしいことには変わりありません。地味にDRSステーにマクラーレンロゴが付いているなど芸が細かいところも良いです。

鏡面鏡面って、じゃあミニチャンプスはどうなんだよ?ということで参考画像として、最後にマクラーレンがクロームシルバーを身にまとった2015年のマシンを持ってきました。写真ではうまく伝わらないのですが、当時のミニチャンプスは反射のあるまさにクロームシルバーそのものを再現できていたので非常に評価が高かったです。まぁでもこうしてみるとそんなに変わらないというか、決してブラーゴが悪いという評価にはならずどこまでお金をかけて実車に近いものを選ぶかという好みの問題な気がしますね。

またこのクロームシルバーについてはミニチャンプスもスパークももう10年近くF1マシンで使っていないので、この後出てくるこのMCL60イギリスGP仕様が当時のように綺麗にリリースされるのか、ロストテクノロジーと化していないかの心配もありますね。特にスパークはこの時代まだかなりイマイチだったので……。

ちなみに、2012-13年のわずかな期間マクラーレンをマシンをリリースしたコーギーというイギリスのメーカーがありました。同じく当時の販売価格5,000円で挑んだシルバーがこちらです。画像が古いのもありますが、これに比べるとブラーゴはかなり良くやっていると思います。まず凸凹してないしね……。

最後にオールシルバーを纏った2014年から10年。少し話題が逸れますが再びこのカラーリングを見れた喜びに乗せてなぜ私がブラーゴを絶賛するかについて話しましょう。当時のF1はリーマン後の影響から抜け出せずに金欠が常態化し、レース欠場やドライバーの給与未払いなんてものまでありました。その後復活の起爆剤として期待されたPU導入で財政難が更に悪化し、そしてその結果は一強独走という悪夢の時代です。

ミニカー界隈もその14年からミニチャンプスが突如5,000円以上値上げし、当時新参のスパークは出来がイマイチ、そもそもマシンにこんな突起が生えてかっこよくもないということで、14-16年あたりはコレクターの絶滅期だったと思っています。「あぁ、あと何年かでF1ミニカー文化って終わりそうだな」と肌で感じるレベルでした。

そこから10年、本当によくここまでF1人気が復活して、たくさんの人がミニカーにも関心を持ち、そして手に取れる時代に戻ってくれたものです。15年から着実に続けてきたブラーゴ様様ですよほんと。

話が逸れてしまいましたが、特に新しいファンの方にはこのシルバーカラーリングが失われた期間いかにF1が苦難な復活の道を歩んできたかということを察していただけたら嬉しいです。もしかしたらクロームシルバーは好景気の印かもしれないですね。このピアストリにはそんな時代を経験することなく、人気スポーツの超人気ドライバーとして華々しいキャリアを歩んでほしいものです。チャンピオン経験者が給与未払いで欠場していたのが10年前ですから(あのライコネンがですよ!)、スプリント云々などで非難されてもリバティはよくやってると思いますよ。

さて話は戻ってミニカーの話。そんなシルバーカラーリングがミニカー界のトップクラスの出来とはならなかったものの(感動を得るにはミニチャンプスを買いましょう)、それでもできうる限りのベストな再現となっています。また前述の通りオレンジの発色が前年からかなりブラッシュアップされていますので、トータルとしてかなり満足度の高いミニカーになっています。

ルーキーながら非凡な実力を示して一躍人気になったピアストリ。彼のミニカーが欲しいという方はこのモデルも十分選択肢になってきます。国内であまり流通していない・後発のミニチャンプス&スパークのシルバーとの出来の差が読めないという点がネックなので、急いでいなかったり予算に余裕があるなら少し待ってもいいかもしれないですね。こちらもヘルメットが素晴らしいので、焦ってドライバーレスを買うのは悪手かなと思います。マクラーレンは通常版がリリースされるかもしれないですしね。

前年のブラーゴモデル。比較すると進化が著しいです。

10年前に紹介したコーギーの記事。こんなのもあったなぁ。自分の文章が若い笑

最後にクロームシルバーを纏った一台。このドタバタのせいでこのカラーリングが葬られた感がありますね。

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