マクラーレン MCL60 O.ピアストリ

この人新人？

【ミニチャンプス　マクラーレンMLC60　O.ピアストリ　2023】

アルピーヌからの電撃移籍でマクラーレンからF1デビューを果たしたピアストリ。F3、F2を各1年で制覇して駆け上がってきたもののアルピーヌで1年間浪人に漬け置かれたオーストラリアの大物ルーキーがついにベールを脱ぎました。

アルピーヌからアロンソの後任として昇格を発表された直後、自身のSNSでそれを否定し世界を驚かせたピアストリ。マクラーレンからデビューが決まり、育成元チームに喧嘩を売ってのF1デビューはどんなものかと思いましたが、マシンの低迷もあって前半は入賞2回に留まりました。ただこの静かなデビューは彼にとって幸運だったはずで、グリッド後方の目立たない位置でじっくりとF1の週末に適合していったのだと思います。

その後イギリスGPでアップデートが投入されると予選3位を獲得して一気に頭角を現し、ベルギーGPのスプリントでは2位、日本GPでは決勝レース2位で初表彰台を獲得、カタールGPではスプリント優勝と華々しい成果を次々に記録していきました。後半戦の勢いはエースのノリスをも上回るもので、「これはすごい大物ルーキーが出てきたな」と衝撃を受けましたよね。新人らしい変なミスがなく、安定感がルーキーのそれとは思えませんでした。

なぜかこの年からミニカーへの広告が認められるようになった電子タバコ界隈。おかげでマクラーレンはなんと2014年以来10年ぶりにサイドポッドにロゴが掲載されたミニカーが販売されました。2019年以降は国内でミニチャンプス用デカールの取り扱いもなく、本当に不遇の数年間でしたねぇ……。チームの成績が上がるとミニカーの待遇もこうして良くなるので、かっこいいマシンは成績を残していいモデル化に恵まれてほしいものです。

大学受験では最後の高い伸び率がある分浪人生より現役生が有利なんて考え方があるそうですが、この人のような本物の才能の持ち主には1年間のブランクなど関係なくしっかりとチャンスをものにするのでした。

しかし彼がシートを決めた2022年中盤時点ではマクラーレンよりもアルピーヌの方が成績が良かったわけですが、それでもピアストリに振られるとは一体アルピーヌに何があったんでしょうかね。内部で危機感を感じるレベルで将来の見通しが悪かったのか、マクラーレンが上手にセールスしたのか（ザクならやりそう……）、どうなんでしょう。まさか天下のF1ドライバー育成プログラムがこの才能を見抜けずシート確保を渋っていたなんてこと、本当にあるのかなぁ……。