フェラーリ F10 F.アロンソ

オリジナルモデルフェラーリ2010

最初がピーク

【マテル フェラーリF10 F.アロンソ 2010】

マクラーレンでプライドに傷を負い、ルノーで2年間の都落ちを経験したアロンソが待望のトップチームに復活。華々しく1-2で開幕戦を制した時は、誰がこの先の展開を想像したことでしょう……。

名門のステータス、トップチームの開発力、優秀なタイトルスポンサー、言うことを聞くセカンドドライバーとすべてを手にした2010年のアロンソ様。

ご祝儀に個人スポンサーからタイトルスポンサーに昇格したサンタンデール銀行からは「勝利を祝う親指」に1000万ユーロもの保険を掛けてもらうなど、華々しいムードでフェラーリとのキャリアは始まります。思えばハネムーン期間ってやつだったのでしょうか。

この後のアロンソ期のフェラーリにしては珍しく、この年の「F10」は終盤まで優勝争いをできるマシンでした。イタリアGPやシンガポールGP、韓国GPなど印象深い勝利が後半に並びます。この年からのトレンドだったブロウンディフューザーの搭載にも成功し、十分にタイトルを狙えるマシンでしたよね。

以降の年の後半戦は何とか表彰台のポイントで食つなぐ、じり貧の終盤ばかりでしたもんね……。

マテル製ミニカーとしてもアロンソ時代はこの年が一番出来が良かったです。マテルも新エースを迎え入れ、気合が入っていたのでしょうか。欠点のヘルメットもそれほど悪くなく、何よりマルボロのティザー広告のバーコードを最初から貼ってくれています。このバーコード、実車はサブリミナル広告だとして禁止されたんですけどね。

なお以降は成績とともにミニカーの出来も下降の一途を辿っていきます。アロンソのフェラーリ期ではこれがベストな一台です。

開幕戦を制し、母国スペインGPで2位、そしてお膝元イタリアGPではハットトリックとほぼ完璧ともいえるフェラーリデビューだったアロンソ。王者ベッテルと同じく最多5勝を挙げています。

しかし最終戦でウェバーに合わせ早めにピットしたことで遅いペトロフに引っ掛かり、策のないチームから「キミノーサイノウヲーシンジテイルー」という情けない無線を最後に終戦してしまいました。

個人的にはそんな最終戦以上にこの年王座を失った最大の失敗はモナコGPだと思っていて、絶好調ながらFP3で不意にクラッシュ、モナコで予選に出られない致命傷を負いました。この時はフェラーリが好調でマッサが4位だっただけに、アロンソなら表彰台で楽々チャンピオンだったと思うんですよね……。

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