進化するブラーゴ
【ブラーゴ フェラーリSF1000 S.ベッテル トスカーナGP 2020】
今年の福袋で手に入れたこの一台。引っ張り出してきたSF16Hと比較して、ブラーゴのクオリティに進歩があるかを確認です。トスカーナGPを走ったベッテルについてはこちらをご覧ください。1000レース記念という大金字塔に過去数年で最も地味なレースを見せています。2022年の醜態で記憶が上書きされていますけど、2020年もひどかったですねー。
スペシャルカラーリングに1000レースの記念ロゴ、そして独特のカーナンバー表記などトスカーナGP仕様のリバリーをしっかり再現しているこの一台。ぱっと見の印象は「おぉ……」と嬉しい感嘆が上がります。対象年齢がこれまでの6歳以上から14歳以上に大きく引き上げられたことで、細かな造形が劇的によくなっている、はずです。ルックスマートのモデルより赤が明るいですが、個人的にこちらのカラーリングの方が好みです。正確性はともかく、ワインレッドで存在感のある一台となっています。
定価16,000円と少々お値段のするモデルで、この年のフェラーリの惨状を思えば正直高いミニカーなのですが、出来がよく満足感はそれなりにあります。とにかくカラーリングの品の良さが細かい粗を隠してくれている一台ですね。
あれ、SF1000ってこんなにかっこよかったっけ?と錯覚まで起こすこちらのモデル。実車はルックスマート程とはいかずとももう少し暗いカラーリングのはずなので、この明るいマシンカラーは存在しないものだと思いますがトイカーとしては見事にまとまりのある出来です。褒めちぎっていますが、ぱっと見は本当に良いです。ブラーゴに細かい再現を求める人はお金を払う先を間違えていますし、どうせ正しかろうが間違っていようが遅いんだからいいじゃないという寛容な精神で手に取るとよいですね。
ヘルメット周り。相変わらず横から潰されたような形でHANSもなく寂しいドライバーフィグなのですが、Haloが取り付けられたことで粗が目立たなくなっています。1000GPの記念ヘルメットもそれなりの精度で再現され、こんなのあったねと思い出に浸るには十分の出来です。
フロントウイングはカスケードウイングが廃止されたことで、ブラーゴのクオリティでも十分に再現できるようになりました。異形のバージボード周りも手を抜かずしっかり再現されています。もう少しスリットが細かくなればとは思いますが、それはこの値段では難しいのでしょうね。フロント周りで最大の問題はタイヤで、SF16Hはフロントタイヤの取り付けがかなり雑で左右ともひどいキャンバー角が付いていたのですが、こちらも結構な角度がついています。ここは本当にイマイチで、かつてのマテルよりもずっとひどいと思います。
リア周り。DRSステーがウイングと接地しているだけで大きな進歩でしょうか。対象年齢の引き上げによるものかわかりませんが、ステーもだいぶ細くなりました。しかしメッキの安っぽいエキゾーストは変わっていません。ここは修正対象ではないということなんでしょうが、見えるとかなりげんなりするんですよね……。
一部フロントやリアに難ありなモデルですが、総じて満足できたこちらのSF1000。塗装に問題は感じませんし、2022年のすっきりしたモデルならかなりいい出来になっているんじゃないでしょうか。個人的に近年のブラーゴを勧める理由の一つはF1のマシン規定が簡素化されたことがあり、複雑怪奇な21年までの規定でここまで作れるなら22年からのシンプルなマシンでは結構いい線行くんじゃないかと思えるところです。1/43がかなりいい出来だったので、1/18はより良く作られているはずだと思います。
ミニチャンプスを買えないならブラーゴを買えばいいじゃない、というのはあながち冗談ではなくなってきました。普通にエントリーモデルとして勧められるいいモデルだし、買えばコレクション沼にはまってもらえるだろうし、そしたらいずれミニチャンプスに手を伸ばし……てな感じでコレクター人口が増えてくれればいいなと思います。
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