悲しい初勝利

【ルックスマート フェラーリSF90 C.ルクレール ベルギーGP】
デビュー2年目にしてフェラーリに大抜擢されたルクレールの初優勝マシン。祝福の勝利になるはずでしたが、決勝前日のF2で友人ユベールが死去したことで素直に喜べないものとなってしまいました。

2019年のフェラーリとルクレールについて、開幕前の大方の予想はベッテルがエースでルクレールは当面セカンドとしてトップチームに慣れることが仕事だと思われていました。
チームも当然開幕戦前にベッテル優遇を明言していましたが、開幕戦でルクレールは「ベッテルより速く走れるけどついて行けばいいんだよね?」と無線で強気を見せます。

大物の器を見せたルクレールは続くバーレーンGPでF1 999戦目にして99人目のポールシッターという記録を樹立しました。
しかし決勝ではレースの大半を支配するも初優勝目前の終盤にまさかのエンジントラブルが発生。3位に転落してしまうのですが、観ていた誰もが次の初優勝は彼だろう確信したレースでしたね。

そんな華々しい序盤戦から一転、以降はずるずると失速するフェラーリにフラストレーションを感じてか荒い面が目立つようになっていきました。母国モナコGPでは作戦ミスによる後方スタートを挽回しようと荒い抜き方を連発しクラッシュ、パンクでレースを台無しにしてしまいます。
その予選では主催側が彼のポールを期待して予選後の写真撮影の背景パネルにルクレールの顔写真が大きく映されていましたが、そこに本人が居なかったのが印象的でした。F1ってこういうことすると上手くいかないですよねぇ……。

後半戦ではルール違反のPUパワーアップが疑われた「疑惑のPUアップデート」によってベルギーGPでポールトゥウィン、自身初優勝を達成しました。しかし前日のF2事故で友人ユベールが亡くなったことを受け、無線で喜びを見せずにマシンを降りて静かに天を指さす姿が印象的でした。本当に彼に捧げる勝利という光景でしたね。
そして続くイタリアGP・モンツァでも連勝し、この時はティフォシの前で喜びを大爆発。ファンからの声援もありよい勝利の祝福となりました。
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