躍動

【ルックスマート フェラーリSF70H S.ベッテル モナコGP 2017】
2015年にコンビを組んで新時代の幕開けを告げ、16年の低迷を経て一躍トップランナーに躍り出たこの年のベッテルとフェラーリ。打倒メルセデスに名乗りを挙げ、タイトル争いに挑みました。

この年はフェラーリは序盤から絶好調で、ベッテルはライコネンを従え2011年以来のモナコGP制覇を達成しました。モナコGP優勝は跳馬にとって16年振りの快挙であり、さらに1-2フィニッシュだけを見ても7年振りの成果と復活の狼煙には力強いものでした。
前半戦のフェラーリの勢いはチャンピオン候補として十分で、高速サーキットではライバルに勝利を譲るものの得意の低速ハンガリーGPを制するなど最強メルセデス相手に一進一退の攻防を繰り広げます。

しかしその勢いが一年続かないのが近年のフェラーリ。後半戦のアップデートを尽く外すとシンガポールGPでは痛恨の同士討ちで0周ダブルリタイアの悲劇を経験します。
さらに続く日本GPもスパークプラグのトラブルで早々にリタイアするとタイトル争いからは脱落し、例年通りハミルトンの戴冠カウントダウンをただ見守るだけになってしまうのでした。

この「SF70-H」はベッテルのフェラーリ時代のマシンで一番かっこいいと思う一台です。2017年規定はどのマシンも見た目が劇的に改善されていますが、中でもフェラーリは随一だと思います。
全体的なフォルムが素晴らしいことに加え、非常に複雑化したサイドポッド周りのメカメカしさ、そして何より「速い」と文句なしの一台です。後半戦ですか?忘れましょう。

メルセデスと対等に戦いあったことで、タイトルが取れない理由を突きつけられたこの年のフェラーリとベッテル。とにかく一貫性が必要であり、そのうえで継続的な改善が必要だということが明らかになりました。
フェラーリは素性の良いマシンを作り出せるものの、シーズンを通してのアップデート計画が機能しないという問題点が明らかになりましたよね。それでも前途有望で、ベッテルが一番生き生きと躍動していたベストシーズンだと思います。
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