待望の新兵器

【ミニチャンプス スーパーアグリSA06 佐藤琢磨 日本GP 2006】
数年落ちのアロウズのマシンで前半戦を戦い、後半戦からようやく投入された自社製マシン「SA06」。次期SA07がカスタマーカーのようなものだったり、最後のSA08はほぼ開発されていなかったので、スーパーアグリとして純粋に開発したマシンはこれ1台のような気がします。

この「SA06」投入後、スーパーアグリはテールエンダーから脱出し中団チームとレースで争うようになりました。入賞までは壁があったものの、明確に成長を感じられましたし、この新しいチームはこうやってステップアップしていくんだなという期待を皆に抱かせてくれたものです。

凱旋レースとなった日本GPでは下位争いとなったものの2台揃ってしっかり完走。ホンダ・トヨタに次ぐ親近感のある第三勢力として初年度ながら日本での人気も絶大でしたね。この年の日本GPは日系3チームの参戦にシューマッハのラストラン、更に翌年から富士開催となるため鈴鹿ラスト開催などのイベントが重なり、決勝日だけで来場者は驚異の16万人越えだったんだとか。第2次F1バブルだったなぁ。

この「SA06」は一気に近代的なルックスになり、2006年のF1マシンらしい仕上がりになりました。小口ながら多く集まった日系スポンサーもあり、日本のチーム感が良く出ていますね。
ただこれらの小口スポンサーは広告代理店に暴利を貪られたり、翌年には架空の会社を紹介した証券会社から顧問料を請求されるなど、スポンサー関連では悪い噂しか聞きませんでしたね。今思えばスーパーアグリは東京五輪でよく聞くようになった中抜き被害の先駆者だったのかもしれません。

開幕戦はトップから数秒落ちでとてもF1レベルとは思えなかったこのチームですが、最終戦では10位完走し入賞への期待を抱かせるまでになりました。ホンダの支援があったとはいえ、1から立ち上げたチームの伸び率としてはかなりのものでしたよね。最終戦の勢いそのままに、翌年の飛躍に胸膨らむ2006年となったのでした。
コメント