チーム初の表彰台
【ミニチャンプス レッドブルRB2 D.クルサード 2006】
レッドブル参戦2年目となった2006年シーズン。今年チーム通算100勝を達成した強豪となったこのチームですが、最初の表彰台はこの年に獲得しました。
低迷したジャガーを買収して参戦した05年に予想外の好調を見せ周囲を驚かせたレッドブルですが、この年は信頼性に苦しみ序盤戦は相次ぐリタイアで入賞争いに関わることができませんでした。シーズンを通してミッドランドやスーパーアグリらテールエンダーよりは明確に速かったものの、入賞争いには加われない孤立した1年でしたね。
幸運だったのはモナコGPで、表彰台圏内を走行していたライコネン・ウェバーらの相次ぐリタイアで次々にトップ3が繰り上がっていくレースを7位スタートのクルサードがしぶとく生き残り、3位完走でチームに初めての表彰台をもたらしました。前年に続く映画タイアップの特別リバリーにより、クルサードはスーパーマン柄のレーシングスーツにマントを付けたこの上ないプロモーションでポディウムに登りましたね。レッドブルらしい文化の象徴の一つだなぁと思います。
この年は成績よりも後の黄金期を支えるエイドリアン・ニューエイの獲得に成功したことが最大の成果だったでしょう。デニス率いるマクラーレンの厳格さ・分業制と合わなかったとされる彼を、元同僚のクルサードを通してレッドブルの理念を訴えかけて口説き落としました。
ニューエイの獲得が無ければレッドブルの躍進も怪しく、これほど長くチームが存続しなかったかもしれません。レッドブルはトップチームの座を確立し、ニューエイも過去のウイリアムズ・マクラーレンの時以上の個人の業績が評価されていますし、これほどのWin-Winの移籍も珍しいですよね。
まずチームの柱となるベテランを獲得し、そのコネクションで優秀なスタッフをリクルートするという新規チームにとって最も望ましい展開を実現したレッドブルレーシング。強力なトップチームの確立とジュニアチームの設置という壮大な青写真を描き、最高の形で成し遂げたマテシッツ氏の偉業はもっと評価されるべきですよね。しかしホーナー・マルコ・ニューエイという強力な三頭政治をデザインしたのってジャガー買収時のマテシッツ氏個人の構想なんですかね?スポンサー経験はあったとはいえ、とてもモータースポーツ参戦が初めての人の才とは思えないよなぁ。
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