トロロッソ STR2 S.ベッテル 中国GP

アルファタウリ・トロロッソ2007

雨のリベンジ

【ミニチャンプス トロロッソSTR2 S.ベッテル 中国GP 2007】

BMWザウバーでのデビュー戦が評価され、育成元レッドブルグループからトロロッソのシートを得たベッテル。新人らしいミスもありましたが、翌戦にはすぐさま結果を出して非凡なドライバーであることを知らしめました。

シーズン後半のハンガリーGPからトロロッソのシートを得たベッテル。当時のトロロッソは参戦2年目で相変わらずテールエンダーの一角でしたが、雨の日本GP富士スピードウェイでチーム初のQ3進出を達成します。決勝レースも大雨の荒れた展開を武器に一時3位まで浮上しましたが、SC中に親チームレッドブルのウェバーに追突リタイアしてしまいました。ピットで涙を流す姿も中継されましたね。

親子表彰台のチャンスを潰すという育成ドライバーとしては致命的なミスだったのですが、翌週に行われた中国GPでは再びのウェットレースで予選12位から4位まで浮上する大金星を挙げます。この大躍進によってベッテルの評価は確たるものとなり、「雨のベッテルは速い」ということは誰もが知る事実となりました。優勝前のベッテル初期ではかなり名を挙げたレースですよね。

BMWザウバーのデビューモデルの売れ行きからベッテルは売れると判断されたのか、このSTR2は倍以上の台数が生産されることになりました。以降同郷ミニチャンプスブランドの看板役者となるベッテルミニカーの拡販第一弾だったかもしれません。当時は今の様にGP仕様がほぼ全てリリースされるなんてことはなく、よほどインパクトのあるレースだけがGP仕様で追加リリースされていたので、この中国GPはミニチャンプスとしてかなり評価されているレースのはずです。

2007年この年一世を風靡した新人ハミルトンがタイヤを酷使しピットエントリーでコースオフしてリタイアしてしまったこのレース。表彰台前のパルクフェルメでは最終戦に向けアロンソとライコネンが「新人に負けてたるか」とライバルながら互いの健闘を称える様が映りましたが、そのすぐ下でベッテルが大活躍を見せたことで「この世代はハミルトンともう一人いるよな」と、後の二人の活躍を誰しもが感じた一戦だったのではないでしょうか。その時代の終わりすら知った今となっては、振り返るととても懐かしい思い出ですね。

雨のベッテルが最後に発揮されたのは2020年のトルコGPかなと思います。歴史的不振に陥ったこの年のフェラーリで放出が決まっていたベッテルは針の筵状態でしたが、この雨のレースで3位を獲得し表彰台獲得記録を継続させました。

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