フェラーリ SF1000 S.ベッテル トルコGP

フェラーリ2020

慰めの3位

【ルックスマート フェラーリSF1000 S.ベッテル トルコGP 2020】

2019年は新鋭ルクレールに押されわずか1勝に終わったベッテル。翌2020年は勝利どころか表彰台が1度のみという深刻な低迷に陥り、フェラーリと袂を分かちました。

ベッテルの苦戦はシーズン前から始まっており、コロナによって2020シーズン開幕が遅れる中突然チームから契約終了を宣言されます。1年間次の所属先を持たない流浪のドライバーとして戦う羽目になった彼にチームのサポートは皆無に等しく、フリー走行ではチームが彼の意見を耳に入れていないような姿も映し出されました。

一方でベッテルが苦しいながらも懸命に戦い抜いたかといえばそうではなく、相変わらずのスピンでレースを台無しにすることもしばしば。泥沼の状態で時間だけが過ぎていき、シーズン無表彰台もあり得る展開でしたが、トルコGPでは雨の混乱と最後のルクレールのミスにより、慰めとなる3位表彰台を獲得します。

トルコGP仕様ということで、ルックスマート史上初のインターミディエイトタイヤ装着マシンがリリースされました。SF1000は前年の疑惑のエンジン出力向上への対応に振り回されたマシンのためか、個人的に遅いながらもシャシーのルックスは嫌いではありません。

シーズン途中から上り調子のレーシングポイントとの接触が取沙汰され、シーズンが終わる前に無事に移籍先を確保したベッテル。彼にとってもチームにとっても忘れたい1年であることは確かでしょう。

しかし、これだけ彼本人のミスがあってもレーシングポイントが獲得に動いたのはちょっと意外でした。やはり4度のチャンピオンという肩書は存在だけで箔があるのでしょうね。こうした環境で実力がありながらもすぐに消えていったルーキーは数多くいただけに、ベッテルは過去の自分に助けられた気がします。

コメント