フェラーリ F2007 K.ライコネン 中国GP

オリジナルモデルフェラーリ2007

フェラーリ勝利の歴史

【アシェット フェラーリF2007 K.ライコネン 中国GP 2007】

ライコネンが逆転タイトルに首の皮一枚繋いだ中国GPの優勝モデル。フェラーリF1通算200勝目の勝利であり、長年スポンサードしてきた「マルボロ」ロゴを掲載した最後のマシンです。

2007年終盤、ラスト3戦を残してライコネンは首位ハミルトンに大差をつけられており、脱落は時間の問題かという状況でした。日本GPで3位になりいよいよ中国GPで終戦かと思われましたが、望外のハミルトンのリタイアで10点差を縮めることに成功。辛うじて最終戦に臨みを繋ぎます。まぁこの中国GPを終えてもなお点差は大きくライコネンの逆転は期待できませんでしたけどね……。

その後の顛末はブラジルGP仕様に取っておくとして、フェラーリはこの一戦で記念すべき200勝を挙げました。タイトル争い最終戦が控えていただけにお祝いどころではありませんでしたが、1974年スペインGPでラウダが挙げた50勝、1990年フランスGPでプロストが挙げた100勝、2002年カナダGPでシューマッハが挙げた150勝に次ぐ偉大なマイルストーンはライコネンによって達成されています。特に150勝から200勝までは約5年半という驚異的なハイペースでの積み上げでした。

1972年にF1に参入し90年代からフェラーリをスポンサード、シューマッハの黄金期を支えた「マルボロ」ロゴですが、この2007年中国GPが最後の掲載マシンとなりました。00年代はタバコ広告規制が強まりバーコードロゴを掲げるレースの方が増えていましたが、このレースを持って完全にマルボロの文字はお蔵入りに。以降もあの手この手でフェラーリのスポンサードを続けるのですが2021年に完全に契約を終了してF1から去りました。タバコは国際スポーツに相応しくないスポンサーだと思いますがモータースポーツの認知度を世界レベルに高めた一因は彼らのお金だったので、過去の写真からもロゴを消し去るのは敬意が欠けているなぁと感じてあまり好きじゃないですね。

フェラーリ最後の節目の勝利、最後のマルボロロゴ、最後のドライバーズタイトルと最後ずくめのこの一台。マルボロはともかく、タイトルと勝利数が増えていかないことは何とも悲しいですね。150-200勝間を最速5年半で積みかさねたのに、この200勝達成以降は2023年末まで17年間で42勝という信じられない鈍足ペース。レース数が増えているのに74-90年の暗黒期より遅いペースで、これより遅い記録は最初の50勝を記録した24年間です。この当時は年間10戦もなかったので、2008年以降のフェラーリは勝率が過去最悪に低いということがわかります。数字を見ると名門というより古豪なんだよなぁ……。

そんな最新「暗黒期」フェラーリで最多14勝を挙げたベッテル。彼のレッドブル時代のライバルだったアロンソもフェラーリで11勝を挙げており、この二人で200勝以降の半分以上の勝利を積み上げています。うーん、勝利数はともかくこれだけ勝っていてタイトルが無いのは何とも不思議……。

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