今思えば地味だったかもしれない
【ミニチャンプス BMWザウバーF1.07 S.ベッテル アメリカGP 2007】
後に4度のチャンピオンとなるベッテルのデビューマシン。レッドブル育成ドライバーながら同郷のBMWザウバーにレンタルされていた彼ですが、クビサの欠場による代役としてF1デビューを果たします。
2006年にトルコGPのフリー走行でBMWザウバーからF1公式セッションデビューを果たし、トップタイムを記録して注目の的となったベッテル。その後もこのチームでテストドライバーを務めていましたが、カナダGPの大クラッシュで欠場となったクビサの代役としてアメリカGPで急遽F1デビューのチャンスを得ました。
19歳349日でのデビュー・入賞で当時の最年少記録を更新したベッテル。代役で急遽参戦した最年少ドライバーが入賞まで果たすなんて!と一躍スターダムに上り詰めました。ただ当時のBMWザウバーはフェラーリ・マクラーレンに次ぐ明確な3番手の位置を確立しつつあったため、今になって思えばベッテルの予選7位、決勝8位という記録は神童としては少々物足りないものだったような気もします。その後のフェルスタッペン世代によって若手ドライバーのデビューには高いものが求められる時代になってしまいましたねぇ。
2007年はこの年代のミニチャンプスとしては生産数が少ないということもあり、1,800台限定のこのモデルは一瞬で高値を付けることになりました。後年別注品がリリースされるまで、このマシンを手に入れるのは高いハードルでしたね。私はあまりに価値が高くなるだろうと見込んで、当時高校生ながら奮発して壊れた時の予備にと2台買いました。未だに押入れに眠っているスペアですが、飾ってないしそろそろ売り時なのでしょうか。17年(!)もしっかり保管していたし、今売っても転売ヤーとは言えないでしょう……?
のちに2008年モンツァで奇跡の優勝、2010年に最年少チャンピオンを記録するベッテル。そんな歴史に残るドライバーとしては、3番目のマシンを駆って辛うじて1ポイントというのは少々地味なデビューのような気がしてしまいますよね。ベッテルの成功体験が育成システムの糧となり、フェルスタッペン世代が生まれ、そして今は更にその次のピアストリやベアマン・アントネッリが虎視眈々と、この人一人の存在で若手ドライバーの基準は大きく引き上げられました。自分の活躍で自分のデビュー戦の評価が変わるなんて、ベッテルがなんと特異な存在であったかということですね。
この1/43以上に入手困難なのが1/18スケールのこのモデル。ミニチャンプスは基本的に再販しないので、彼らが需要を読み誤った少数生産の人気モデルは本当に手に入りにくいですね。ベッテルはSTR2が1/18化しなかったもののこのF1.07がモデル化したことで、キャリア全ての年が1/18リリースされたドライバーとなりました。スパークが1/18も全車製造する今では珍しくもないですが当時はかなり貴重なレア待遇だったんですよねぇ。
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