BMWザウバー F1.07 R.クビサ

BMWザウバー2007

大事故からの生還

【ミニチャンプス BMWザウバーF1.07 R.クビサ 2007】

クビサのF1フル参戦初年度となった2007年。全体的に先輩ハイドフェルドに見劣りしましたが、あのカナダGPでの大クラッシュから無事に戻ってきたことが最大の功績でしょう。

17戦中11回の入賞で入賞率64%、圧倒的トップ2だったフェラーリ・マクラーレンに次ぐランキング6位という成績で終えたこの年のクビサ。最高位4位は三度記録しましたが表彰台には届きませんでした。ハイドフェルドが2度ポディウムを獲得しているので、新進気鋭のクビサといえどこの年はまだハイドフェルドが明確にBMWのエースという感じでしたね。

第6戦カナダGPではヘアピン直前でトヨタと接触、そのまま宙を舞い一回転する大クラッシュを経験しました。特にほぼ最高速でコンクリートウォールにヒットしたフロント部分のダメージが激しく、両足が見えるほどでしたよね。あまりに衝撃的なクラッシュですが彼が無事生還したためリプレイ映像が未だによく流され、近代F1大クラッシュの象徴のようなシーンになっています。

BMWザウバーはデビューした2006年から撤退した09年までカラーリングを変えませんでしたが、とにかくホワイトにネイビーの爽やかなデザインがとても素晴らしくお気に入りのチームです。

中団の常連だったザウバーを買収し2年目にして名門2強のすぐ後ろまで来るのですから、本当に順調に進んでいた希望あるチームでした。ベテランと期待のルーキーというラインナップも素晴らしく将来有望だっただけに、つくづく2009年への判断ミスが悔やまれます……。

大クラッシュで翌アメリカGPを欠場したものの、第8戦フランスGPから復帰して6戦連続入賞を飾ったクビサ。事故の後遺症どころか、それまでよりも安定感が増したようにすら感じさせる見事な復活劇でした。2011年のラリー事故ではこのカナダGPより遥かに深刻なダメージを負いますが、レースを諦めなかったのはこの年既に大クラッシュからの復活を経験していたからなのかなとも思ってしまいますね。

このクビサの事故で代役としてF1デビューを果たしたのがベッテル。これは有名すぎて触れるまでもないかもしれませんが、BMWはクビサの控えにベッテルを抱えているようなとんでもないチームだったんですよ……。

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