これでエースを任されても

【ミニチャンプス ルノーR27 G.フィジケラ 2007】
アロンソの離脱でエースドライバーに昇格したフィジケラ。マイルドセブンに変わりINGバンクをスポンサーに迎え入れ体制が刷新されましたが、苦戦が続きました。

絶対エースのアロンソを失ったうえ、前年まで相思相愛だったミシュランタイヤの撤退で新たにブリヂストンタイヤへの適合を強いられた2007年のルノー。ベテランのフィジケラをもってしても結果は残せず、フェラーリ・マクラーレンに加え新興BMWにすら敗れる1年となりました。

序盤こそ2強に次ぐ順位で入賞を重ね、「何かあればフィジケラにチャンスか」と期待も湧きましたが夏休み以降の入賞はわずか1回と尻すぼみに成績を落としていきました。対してこの年デビューしたコバライネンが後半に調子を上げ、日本GPでは今シーズン唯一となる2位表彰台を獲得。完全にチーム内の勢力図は一転し、フィジケラは3年でルノーを去ることになります。

INGに罪はないのですが、前年までのマイルドセブンの美しいカラーからすると何とも微妙な印象ですよね。しかもこの後このカラーリングを待ち受ける悲劇の数々を思うと、INGもタイミングを見誤ったと後悔したことでしょう。
ちなみに、このマシンはF1で初めてサイドポッドウイングにミラーをつけたマシンです。この年はこれ1台だったと思いますが徐々に採用が増え、振動による視認性悪化を理由に2010年に禁止されるまですっかり定着していきました。

最高位はモナコGPの4位で序盤にして吉兆かと思われたのですが、続くカナダGPではマッサに続いてピットレーンの信号を無視して仲良く失格に。以降の入賞は3回に留まる冴えない1年でした。しかしこの後の彼の最後の活躍を思うと、ピケJrを昇格させずに復帰したアロンソと再び組ませたほうがよいコンビになっていたような気もします。たらればですが。
最近になって、「フィジケラと組むことはアロンソの精神安定に役立っていた」という誰かのコメントを見た気がします。デラロサだったかブリアトーレだったか。確かに、アロンソはフィジケラとしかチャンピオン獲ってないもんね。
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