拾う神あり

【ミニチャンプス フォースインディアVJM01 G.フィジケラ 2008】
ルノーを追われ、F1生き残りをかけて新興フォースインディアのドライバーオーディションに挑んだフィジケラ。リウッツィ、クリエンら浪人生を相手に優勝経験者のプライドでシートを勝ち取りました。

新規チームを支えるベテラン枠としてチャンスを得た2008年のフィジケラ。このフォースインディア初号機「VJM01」はこの時代とは思えないほど信頼性に乏しく、2台合わせて5割近いリタイア率を記録しました。そんな状況なので目立った成績は残せなかったものの、フィジケラはチーム初のQ2突破記録を樹立しています。

モナコGPで200戦出走を達成し当時としては大ベテランの存在になりつつあった彼ですが、やはり経験が役立ったのか翌年からフォースインディアは右肩上がりに成績を伸ばしていくことになりました。ジョーダン晩年からミッドランド、スパイカーなどよくわからないオーナーが続き混乱と低迷が長引きましたが、ようやく真剣なオーナーのもとで開発が進んでいきます。こういう例があるので、新規チームにチャンスを賭けたいドライバーがいるのも頷けますね。

サイドポッドのゴールドがインド風味を感じさせる「VJM01」。記憶に残るのはモナコGPで入賞圏内を走行しながらライコネンに追突されリタイアしてしまったスーティルの方なのですが、コレクションとしてはチームの祖となった彼を残したいところ。

ルノー時代でチャンピオンクラスではないどころかトップチームのエースすら任せるには頼りないという評価が下されていたフィジケラですが、ラルフ・シューマッハが引退を決めドライバー市場にベテランが不足していたこともありチャンスを得ました。ただ当時は1-2年走ってチームの基礎作りをして引退するのかなと思っていたのですが、まさかまさか、あんな大活躍が待っていようとは。
シート喪失した中堅・ベテランが新規チームにチャンスを見出すことはよくあるものの、このフィジケラほどの当たりを引くのは天文学的な確率なのかもしれません。たった2年遅いだけで出てきた3つは全部外れくじなんて、時の運ですねぇ。
コメント