移籍は正解?
【ミニチャンプス ルノーR.S.19 D.リカルド 2019】
2019年の大論争の一つ、リカルドのルノー移籍は正しかったのか問題ですが、シーズン終了時の結果とその後のルノー本社の問題から「間違い」だったというのが大勢のように見えますね。しかし私はそうは思いません。
2019年のルノーは速さ・信頼性共に前年を下回り、マクラーレンに抜かれる結果となってしまいました。リカルドも最高位がイタリアGPでの4位と、表彰台にすら登れていません。いくら中団で変わらないバトルの上手さを見せていたとはいえ、昨年のトップドライバーの一人だった彼にとってはまさに都落ちといえる結果です。
とにかくマシンの問題というよりPUの問題に話題が集まり、パワー不足と信頼性の不備についてはどのGPでも聞いていたように思います。そのPUを供給していたマクラーレンがメルセデスにスイッチしてしまったことで、最後のカスタマーすら失いまさに売れない代物となってしまいました。
ルノーへの再ワークス化以降カラーリングはあまり変わらないので、飾ってもあまり面白みがないですね。特徴的で話題になったリカルドのヘルメットデザインも、Haloで隠れてしまっています。
トレードマークの笑顔すら失いつつあるリカルド、最近はレッドブル離脱への批判から転じて同情すら聞こえるようになってきました。しかし、チームがフェルスタッペンに肩入れしている以上レッドブルに残っては絶対にタイトルを取れません。過去近年でチームがエースではないドライバーのタイトル争いを全面支援したのは08年のマッサくらいですし、これはライコネンの不自然なトラブル連発によって起きたことでした。いくら結果を出していてもチームを掌握していなければ、12年にマクラーレンがリードするハミルトンより低迷するバトンの復調に注力したように、タイトルにまでは至らないのです。
リカルドがフェルスタッペンに明確に劣るとは思いませんが、五分五分の成績で最終盤を迎えても彼が優遇されることはないでしょう。リカルドにとってはルノーへ移籍するという賭けしかタイトルへのチャンスがないところまで追い込まれていたのだと思います。金銭やホンダPUへの不安など他の要因はあるにせよ、チャンピオン獲得という一転に絞って考えてみれば分の悪いこの賭けを選んだことは正解だったのではないのでしょうか。
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