アルピーヌ A522 F.アロンソ

アルピーヌ・ルノー2022

三度目の離脱

【ミニチャンプス アルピーヌA522 F.アロンソ オーストラリアGP 2022】

復帰2年目となったアロンソの2022年シーズン。もはやブランクや衰えは一切感じない、中団の雄としてポイント争いの常連となりましたが、チームに足を引っ張られる1年となりました。

コンストランキング4位の競争力のあるマシンを駆り、常に入賞圏内での戦いを繰り広げたアロンソ。41歳ながら入賞率6割越えと、腕の錆びつくところを見せません。それどころか、オーストラリアGPでの幻のPPやカナダGPでの9年ぶりのフロントロー獲得など、前年以上に一発の速さに磨きがかかったようにすら感じる1年となりました。

しかし度重なるトラブルに泣き、機嫌を損ねたアロンソはシンガポールGP時点で60点以上を失ったとチームへの不満を露わにします。その後もブラジルGPでの同士討ちやアブダビGPでのリタイアなど失うポイントは膨らむばかり。総得点でチームメイトのオコンに敗れキャリアで2度目の敗北を期したわけですが、そのオコンに対して倍のリタイアを強いられていますからやむを得ない結果でしょう。マシンの素性も良く、常に入賞争いを繰り広げていただけに相次ぐリタイアが本当に痛すぎましたね。

マシントラブルだけでなく契約でもチームに悩まされたこの年。結果を十分に出しながら年齢をネックにチームはなかなか契約を延長せず、しびれを切らしたアロンソはベッテル引退で空いたアストンマーティンと早々に複数年契約を結んでしまいました。その後昇格を報じられた育成ドライバーのピアストリがそれを拒否してマクラーレンに移籍するなど、アルピーヌはマシンは好調ながらもドライバーマネジメントが全くできていませんでしたね。何度同士討ちのシーンを見たことやら。アロンソは初めてタイトルを獲得したルノー時代を含め、エンストンのこのチームを三度も離脱する羽目になりました。

もはや復帰ドライバーとしての色目はなく、中団の実力者の一人としてポイント争いをにぎわせるアロンソ。来年からはアストンマーティンへと移籍しますが、チームメイトがオーナーの息子という特殊な環境でどこまで我慢して戦えるのか楽しみですね。トップチームを目指すというチームのビジョンが本気なら、モチベーションの高いアロンソはこの上ない抜擢だと思いますが果たしてうまく機能するでしょうか。

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