なぜか海外勢
【スパーク BMW M4 DTM 小林可夢偉 2019】
2019年11月に行われたスーパーGTとDTMの交流戦。小林可夢偉選手は前年SGTにフル参戦していたのですが、このイベントにはBMWから海外勢の一角として参戦しました。
コロナ禍やその後のDTM自体の規模縮小ですっかり話題が潰えてしまったドイツDTMとSGTとの共通規則導入ですが、当時はSGTに興味のない私でも夢のある話だなと感じるほど、競争力はありつつもガラパゴス化していた国内カテゴリが世界に羽ばたく契機になりそうだと思っていました。そんな2020年の共通規則導入直前の2019年11月、特別交流戦が行われ7台のドイツからの刺客が送り込まれます。
その一戦、なぜかDTM勢BMWから参戦した可夢偉選手。トヨタのドライバーでありながらBMWのオファーが届くのがすごいことですが、それを許可するトヨタの懐の広さにも驚きです。可夢偉選手はF1でのトヨタ、耐久でのフェラーリを経てこのBWMやFEでのアンドレッティ、IMSAでのキャデラックと多様なワークスチームから招聘されて参戦しているところが腕を認められている感じで好きなんですよねぇ。
今となっては「こんにちは SUPER GT」の文字が悲しく見えるこのマシン。せっかくトップカテゴリを共通規則化したのに、DTMは参戦台数の減少からGT3クラスにランクダウンしてしまいました。共通トップカテゴリがあれば、F1やWECなど参戦機会が限られたカテゴリ以外でも日本人が世界進出するきっかけになっていたと思うんですけどね……。
そんな儚い思い出となってしまった夢の交流戦。小林可夢偉はこの年SGTの参戦を取りやめWECとSFに専念していましたが、こうして特別レースに出走したことでまたこの方面での活路があるのかなと思っていました。ただその後のコロナ禍の混乱でGTへの参戦は完全に絶たれてしまいましたが、やっぱりこの人はフォーミュラと世界選手権が似合うと思います。
今年秋に突如発表され驚きを生んだトヨタとハースF1の提携。前年には平川選手がマクラーレンのリザーブドライバーに就任するなど、最近のトヨタはF1への活路を積極的に開いています。さらに中嶋一貴がTGR-Eの副会長に就任、小林可夢偉がWECチーム代表に加え他のワークスチームからの参戦を許可されるなど、トヨタはドライバーのキャリアパスがとても豊富ですよね。
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