メルセデス W14 M.シューマッハ Mercedes F1 Test

オリジナルモデルメルセデス2023

トトの元へ

【スパーク メルセデスW14 M.シューマッハ タイヤテスト 2024】

ハースのシートを失い、同郷メルセデスへと身を寄せたミック。再生人トト・ウォルフの元で再びのF1シート復帰を伺いましたが……。

2022年でハースのシートを失うと、フェラーリ育成とも袂を分かちメルセデス陣営に移籍したミック。数多くの有力浪人生が経験したポジション、メルセデス代表トト・ウォルフの横でF1カレンダーに帯同する1年が始まりました。公式セッションでのデビューはありませんでしたが、スペインGP後のタイヤテストに参加しメルセデスのマシンを走らせる機会を得ます。

2024年も引き続きメルセデスのリザーブドライバーを務める傍ら、WECにアルピーヌから参戦することになりました。本来はこうやってシューマッハのネームバリューを武器にワークスチームを渡り歩いて経験を積むべきだったと思うんですよね。本当にフェラーリからキャリアをスタートしたのが手痛い失敗でした。下位カテゴリのデビューが遅かったとしても、どんな下駄を履いて昇格してきたとしても、こうしてF1で役割を持ちWECにワークスドライバーとして参戦するのですから2世としては十分大成した方だと誇ってよいかなと思います。

これがミックにとってF1での最終走行になりそうなW14のタイヤテスト仕様。父のミハエルがメルセデスからキャリアを始めたのに対して、息子のミックはここが終着点というのは何とも縁深いですね。黒いマシンに黄色いヘルメットが良く映えます。しかし本当、なんでセナがヒスパニアでシューマッハがハース、みたいなわけがわからない組み合わせになってしまうんでしょうかね。絶大な不況だった2010年とF1バブルが凄まじい2021年と経済状況は真逆でしたが、どんな時代でも血統だけではまともなシートは得られないという教訓になりました。

ちなみにこちらのスペインGP仕様はメルセデスがゼロポッドを諦めた最初のモデルとなっています。ようやくサイドポッドが張り出すようになりました。初年度で早々に諦めたウイリアムズのように早く切り替えればよかったのに、ワークスチームのプライドが1年半もチームを停滞させてしまったんでしょうかねぇ。

ミニカーで見るゼロポッドの推移。初年度は完全にゼロという感じですが、2年目のW14は0.3ポッドくらい少し膨らみかけています。ここまで迷走しながらも3年目には複数回勝利を挙げるのはさすがメルセデスという感じですね。神童アントネッリを擁する2025年はいかに……。

2024年のシートシャッフルに際して、アルピーヌ経由でオコンの後任、メルセデス経由でサージェントの後任という2つのチャンスがあったわけですが、どちらも実現しませんでした。F1ドライバーとして2年のブランクは非常に大きいため、2025年以降の復帰はよほどのことがないと実現しなさそうです。もうちょっと丁寧に育ててあげれば、無難に入賞できるドライバーとして今のようなクラッシャーの汚名を被ることにはならなかったんじゃないかなぁと思うんですが、ひいき目入ってますかね……。

時代が時代だっただけに、完全にスポンサー目的でネームバリューを利用されたセナ。しかし彼はおかげでロータス・ウイリアムズと金欠中堅チームで戦うことができたのでミックよりは無難な評価を得ていますよね。今後数年でF1バブルが弾けてまたペイドライバーが増えたらミックはデビューの時代が悪かったという評価に落ち着きそう。というかそうなってほしいなぁ。

ミック・シューマッハのわずかなキャリアで唯一公式記録に輝いた瞬間、2022年日本GPでの一瞬のラップリードを私は忘れません。

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